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バナナと私

スーパーや八百屋の店頭を見て、バナナを見るといつも不思議に思うのは、価格の違いである。3〜4本で100円前後から4〜5本200円代とある。数種類を買ってみて味比べをしてみれば、その違いが分かるかもしれないが、年金生活者の身ではそんなゆとりはない。いつも最低価格帯のバナナを買う。それも大手スーパーで最近まで約100円だったが、今春からの物価高で1割以上も値上がった。それでも尚も格安果実であることには違いない。

スーパーの食品売り場には、見切り品コーナーがあり、シュガースポットの出ている高級バナナが割引され売られていた。買って帰り、すぐに食べて見たが、甘みがあり美味しい。皮は茶褐色の斑点があるが、中はきれいなバナナ色のままだった。やはり高いバナナは美味しいのかと思いたいが、要因はシュガースポットが現れた完熟さのためだろう。バナナは食べ頃になると見切り品で売られる。消費者には助かる話だ。ミニスーパーでは、今なお100円バナナがあるが、見ると3本しかない、4本があると小さめで量が減った感がある。バナナの安さに慣れた消費者心理がこう思わせるのだろうか。

たしかにバナナは他の果物に比べて安い。国産果実がブランド化して高級化しているが、海外のバナナは一般的な果実として生産されているようだ。人件費や生産コストの違いだろう。昨年だったか、フィリピン政府がフィリピンバナナは安すぎて生産者が苦しいと言ったが、安価のカラクリは、どこかにひずみがある、生産から小売に至る流通のカラクリにあるのだろうか、素人の憶測である。

昭和の時代には台湾バナナという高級バナナがあって、高くて普段は買えなくて、贈答用に使われていた。バナナを子どもの頃に食べた記憶がないが、一度、中学の図画の宿題のためにバナナの絵を描くために親が買って来てくれた。バナナが黄色いのは面白くないので、赤いバナナを描いたが、親には極めて評判が悪かった。今では台湾バナナのシェアは少ないのか、ほとんど見かけない。そんなバナナが高級品だったことを思えば、本当は、今小銭で買えることに感謝しないといけないのだろう。

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