果たして、自分の人生の中で「一歩を踏み出した」事があっただろうか。あまり積極的に「これをやるのだ」と強い意志を持って物事を始めた事は無いような気がする。流された結果、今ここが自分の立ち位置となっている。

自分で決めた事はあまり無いのだが、周囲の状況によってやらざるを得なくなった事はある。

引越す事となり、ペーパードライバーの自分が自動車通勤をしなければいけなくなった。免許を取得して3年間全く運転していないのに。通勤初日は恐怖心でガチガチ。会社に到着したと思ったら、駐車場に車を擦ってしまう始末。しばらくの間は、運転するのが本当に怖かった。でも、運転しないと会社に行けないので、我慢して毎日通った。

結果、運転に慣れた。この事により、自分の行動範囲が広がった、とは一概に言い切れない。基本遠出はせず、知った道しか運転していない。もちろん、高速道路に乗った事は皆無だ。

でも、一つ運転出来るようになって良かったと思える事があった。母が病を患った時に、病院に乗せて行く事ができた。母には伝えていなかったが、医者からは手術出来ないと言われていた。何気なさを装いながら、二人で車に乗って、病院に通った。夏から冬にかけて、約半年の期間だった。

現在も、毎日通勤で運転している。今年の春異動となり、通勤距離が大幅に増えた。結果、ガソリンを入れる機会も大幅に増え、セルフのガソリンスタンドの使い方をやっと覚えた。相変わらず外部の変化に背中をどつかれて、新しい経験をしている。