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カウンセリング業界のビジネスモデルに限界を感じた話|大垣迅平の来歴


私(大垣迅平)は「自己投資業界の心ジャンルを健全に清々しいものにして、次の世代に引き継ぐこと」を目標にしています。

そのキッカケとなったのは、大正大学で臨床心理学を専攻してカウンセリング業界について触れた経験からでした。

当時の大正大学の臨床心理学はとても活気づいていて、
のちに日本臨床心理士会の会長になられた村瀬嘉代子先生や
統合失調症とか自閉症とかの精神障害を異常と捉えず、
「人間が本来持っている心の一側面が突出して現れた姿」と捉えた滝川一廣先生などの著名な先生方が在籍しておられ、大学院には東大卒の方入学されていたり、社会人の入学も多く勢いのあるころでした。

そんな中、私(大垣迅平)はというと、
「水を得た魚」ともいえる状態でした。

心理学はこれまで学んだどの学問よりものめり込めるもので
また、それに伴って、成績も高まっていきました。

先生が直接、今期は学部で最も成績が良かったと教えてくださったり
有名な大学院への推薦や、教授への道を歩んでみないかと提案していただいたり。

人生ではじめてのめり込めるものを見つけ、
今まで味わったことのないような評価を受けることが続き
学び始めてしばらくは、「有頂天」だったのです。

ところが、そんな大学生活の中で徐々にカウンセリング業界のことが見えてきました。

大学院レベルの高度な教育を受け、試験勉強にいそしみ、臨床心理士になる。
しかし、同じ期間の学習が必要な薬剤師・医者・弁護士・歯医者などに比べると圧倒的に収入が低いのです。
社会的立場・業務上の権限における立場も高いとは言い難い。

また、心理士の元を訪れるクライアントは、精神疾患であり、働くのが難しい人もたくさんいらっしゃいます。
もちろん、その人達は収入が低かったり、場合によっては、なかったりするわけです。

そんな人達から、週1回1万円の料金を貰って月4回受けてもらえれば、やっとこちらの生計が成り立つ。そんな仕事に見えました。

個人で活動して収益性を高めようとすると、営業・集客・経営の能力も必要になります。

習得難易度の高い心理士としての技術を身につけたのちに、これらを身に着けることは、あまり現実的には思えませんでした。

そして、収入が低いので、優秀な人材が集まりにくくなってしまう。

ということは、優秀な人材の団体になれないため、政治的立場が弱いままになります。

そのため業界を国から支えてもらうための社会的権利(診断する権限を持ち、医療保険を利用できて、料金の一部を行政に負担してもらえる・専門性の高い仕事を独占業務として設定するなど)を手に入れることが難しい状態にもなります。

つまり、「社会的立場・収入が低い→人材が集まらない→社会的発言力が弱まる→政治制度を作る際に不利な立場に置かれる→社会的立場・収入が下がる」という負のサイクルが回っている。
そして、私、大垣迅平は、学生の時点でこのサイクルに気付き始めていました。

アメリカでは心理士はもっと立場がよく、精神科医とより対等に近い立場にあります。
収入も多く、あらゆる側面からみて、あこがれの職業と言えるでしょう。

日本も、カウンセリング業界としてはその方向に持っていきたいところなのですが、現状では権限の弱い立場になってしまいます。

率直な所、私、大垣迅平は
「この業界で家族を豊かに養うのは難しそうだな・・・」
と感じていました。

一方で、一緒に学んでいる仲間には、自身が心のバランスを崩してしまった結果、臨床心理士をめざしている人たちも少なくありませんでした。

「私達はすでに一度バランスを崩してしまった。また、頑張るとバランスを崩してしまうかもしれない。この仕事で収入を増やすのは難しいし、しょうがないよね…」

という、一部で諦めの気持ちを一部に持ちながら、それでも、彼らは前向きに学んでいました。

また、たくさんの臨床心理士の方々に触れる中で、また、村瀬かよこ先生の講義を聞く中で、厳しい業界の状況の中で、ひとの心のために、身を粉にして働く方々の想いにも触れていきました。

これらの想いは、私のなかで、ひとつの想いに結実していきます。

業界の構造をなんとかする方法がなければ、人の心を大切にするってことを志した人たちが不遇な立場になってしまう・・・

これを何とかするためには、
心を扱う業界にみんながちゃんと豊かになりながら技術を高められる、新しいビジネスモデルが必要なのではないか?

政治的な不遇は、そもそも、業界のビジネスモデルが原因ではないか?といった結論に至ったのです。

そして「業界のビジネスモデルを変化させる必要がある」と感じた私、大垣迅平は、これを成し遂げることを決意しました。

ひとまず、ベンチャー企業を回ったり、就職したり、起業の勉強をすることにしました。

臨床心理の世界で、目の前のクライアントのために日々努力する人たちに対して罪悪感もありました。
カウンセリング業界でみんなとともに頑張りたいという想いもあり、後ろ髪をひかれるような心持ちでした。

しかし、「この業界はもっと認められるべきだ。」「もうすこし、収入が増えて生活が楽にならないものか…」「心はもっと社会の中で大切にされてしかるべきだ」という想いを業界全体が持っていることもひしひしと感じていました。

なので、大垣迅平自身で新しいビジネスモデルを作るという、他の道に進むという選択をしたのでした。

当時は「これは本当に良い選択なのか?」と悩むこともありました。
しかし、今はこの選択は人生で最良の選択のうちの一つだったと思っています。
そして、この選択から様々な自己投資業界の心ジャンルへの模索が、大垣迅平の未来へと続いているのでした。

そのお話は、また・・・

日本トランスパーソナル学会常任理事 大垣迅平(監修)

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【大垣迅平の活動ログ】
大垣迅平の今までやこれからの活動の報告をしていきます。
新たなプロジェクトが生まれたら、まずはここで記事を掲載し、別にブログを作り始めることが多いと思います。


【大垣迅平のティール研究室(ティール意識経営者・ティール組織)】

大垣迅平が「ティール意識水準」のあり方を多角的な側面から模索し、探求していきます。ティール組織や、ティール組織への教育などをお仕事に活用して、よりよい世界にしていく方法を研究していきます。


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