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さよならフラッシュダンス。


先日訃報が伝えられたアメリカの歌手にして女優のアイリーン・キャラを偲んでというわけでもないが、うちに彼女が主演する「フェーム」のDVDがあったのを思い出し、引っ張り出してきて鑑賞する。

ニューヨークを舞台に役者やダンサーを目指す若者たちを描いた群像劇。アイリーン・キャラの出番は正直それほど多くないんだけど、彼女はこの映画の主題歌も歌いヒットさせている。

夢を追う若者たちのエネルギーが画面にあふれ、当時のニューヨークの雰囲気も伝わってくる。タイムズスクエア、こんなに真っ暗だったんだな。


本当は彼女が主題歌を歌う「フラッシュダンス」のほうを観たかった。でもDVD持ってないし主演は別の人だから。

今をさる80年代、日本にダンスブームが巻き起こったのはまさにあの映画の、そして主題歌「ホワット・ア・フィーリング」によるものだったろう。
 
最近youtubeで向こうのアマチュアバンド(たぶん)がこの曲をカバーしている画像を見つけた。

独自のアレンジも加えられた演奏に、あらためて楽曲として超一流じゃん、と再認識してしまった。

ひたすら明るいポップなナンバーというのがこの曲に対する大多数の評価だと思うが、個人的にはサビのあたり、とくにシンセのフレーズにそこはかとない哀愁味を感じてしまうのだ。

 音楽理論的なことはあまり詳しくないけど、この曲がヒットしたのもそういう「琴線に触れる」部分があったからなのではと思う。

 まだ若く、夢を追いかけていた80年代。かすかな哀愁を帯びた「ホワット・ア・フィーリング」はあの頃がんばっていた自分たちへの鎮魂歌のように聴こえてくる。

 アイリーン・キャラが世を去り、80年代がまた遠ざかった。

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