見出し画像

文学フリマで決めたこと

4年前、シェアハウスの案内をしてくださった方に「週末に文学フリマがあるんです!ご存じですか?」と尋ねられました。なんとなく聞いたことはあるけれど、知識はない。そういえば昔の共演者が文学フリマに出店していた気がする…と記憶をたどる中で「買う方で行くんですけど、楽しいんですよ!」と、ニコニコしながら話をされていました。
結局そこには住まなかったのですが、去年また引っ越しの内覧をしていた時に、ふと思い出して「あんなに楽しそうなんだったら…」と、今年5月に開催された文学フリマに行ってきました。

当日の会場内はとんでもない人の波。入場早々に心が8割ほど折れて一刻も早く帰りたい、でも「気になるものは見たい」2割の気持ちで、本を見て回りました。
自分が何に興味を惹かれるのか何を面白いと思うのか何が好きなのか、そういうものと向き合った気がします。
購入した本は4冊。日記や日常のお気に入りのものが書かれている本を4冊。帰宅後に読み翌日に読み翌々日に読み…読み返していると、だんだん私も本を作ってみたいという欲が生まれてきました。そう思うだけの熱量を会場からも本からも感じていました。

とはいえ。
私は20年前に2回ほど上演用の戯曲を書いたものの、執筆過程が苦しくてもう二度と書かないと思ったきり、物語を書こうとはしていないです。
しいて言えば中学生の頃から手書きの日記はつけていて、誰にも見られることがない気楽さだけでダラダラと書き続けています。

思った事を紙に書くのはセラピーの効果がある。と、何かで知ったのは東日本大震災があった頃だと思います。当時の私は東京で暮らしており、実家は津波にのまれてしまい家族だけが生き残ってくれた状態でした。
行き場のない気持ちを書きとめていたノートがあります。
あと数ヶ月で13年目の春が来ますが、今ではノートに書くことがなくなっています。丁度いいのかもしれない、区切りにできるかもしれない。
1冊の本にして、来年の文学フリマで出そうと思います。

この記事が参加している募集

文学フリマ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?