ねこ時間
ネコは人間をあやつる。
こちらの都合はお構いなしだ。
ネコに命じられるまま背中を撫でると、ご褒美に「ゴロゴロ」をくれる。
ご褒美が欲しくてネコをかまう時間が、わたしにとっての「ねこ時間」だ。
それは数秒で終わることもあれば、数分、数十分続くこともある。
「ねこ時間」の長さを決めるのは、いつでもネコだ。
「ハニオ日記」という本を読んだ。
石田ゆり子さんのお宅にいる1匹の犬と5匹のネコの日常が、写真と文章でつづられている。
石田さんが「ねこ時間」を表現すると、こんなに素敵な本ができあがる。
天は石田ゆり子さんに、二物を与えた上に、ねこまで与えたのだ。
りきみの無い文章とふだん着の写真は愛情にあふれていて、読んでいるとにやけてしまう。
そして時々泣きたくなる。
読み終わるのがもったいない本だった。
読ませてくれた友人には、感謝してもしきれない。
また最初から読んで、読み終わったらまた読みたくなる。
何度でも。
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