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精神について

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主に精神疾患や理性などについて
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双極性障害の丸善療法について

最近丸善(書店)は精神衛生に良いと気がついた。 正確に言えば、たまにある精神状態のいくつかの悪化パターンのうちのひとつに効果的ということに気がついた。 双極性障害はほぼ治ったと公言しているけど、月に1回くらい心理的な要因では説明できない変な気分の変動がある。 ひとつは抑うつで、何も手がつかなくなって、失踪したくなる。別に死にたくはならないけど。 もうひとつは混合状態のようなもので、焦燥感と言葉と観念が頭に溢れる。僕がゔゔゔ~って呻いてブツブツ言いながら歩き回ってたらだいたい

分類しえないものを分類する:精神疾患をめぐる本質主義と反本質主義

医療は科学と切っても切れない関係にあります。アリストテレス以降、科学の基本は常に「観察」と「分類」にありました。 ここでは、「分類」という行為を考えるにあたって、生物種と精神疾患をテーマに本質主義と反本質主義を紹介したいと思います。 分類ってグループ分けするだけでは?「分類」と聞いて皆さんどう考えるでしょうか。簡単で誰にでもできることだと思われるかもしれません。 では動物を例にとって「分類」をしてみましょう。 ハエ・マグロ・ヘビ・ツバメ・チンパンジー この5つの生物を2

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狂気の歴史:外因・内因・心因の三つ巴とその循環 〜狂気の統治は誰のものだったか〜 古代編

Peter Conrad / Joseph W. Schneider "Deviance and Medicalization"(邦題:『逸脱と医療化』)というむちゃくちゃ面白い本があります。1992年の社会学の本ですが、今なお激烈に面白いです。興味を持たれた方はぜひ読んでください。日本語版は絶版のようでインターネットでは買えないので図書館などで、英語版ならAmazonで購入可能です。 この記事は、第3章 "Medical Model of Madness: The Eme

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狂気の歴史:外因・内因・心因の三つ巴とその循環 〜狂気の統治は誰のものだったか〜 中世編

古代編からの続きです。 引き続き下記の書籍の第3章を参考にしながら話していきましょう。 神学モデルの台頭古代編では、ギリシャとローマでの体液説に基づく狂気観までみてきました。ローマ帝国の衰退とともに、その医学的な価値観は徐々に薄れ、代わりに神学的な狂気に移行していきます。

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