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ここで一回芸人オリラジの歴史を振り返ろうか

突如あっちゃんが放った”提言”に言及したいわけではない。

ただ、たまに散見されるオリラジの過去の活動ごと下げる意見やネットニュースに、むむむと思ってしまう。

お主オリエンタルラジオの歴史を知らぬのか?

ここから書くのはあっちゃんの擁護でもなく、何が正しいというわけでもなく、オリラジの歴史って面白いという話である。

9年前にオリラジの異質さにハマっていた私は、彼らの歴史をパワポにまとめていた。
せっかくだから当時の資料を使ってオリラジの歴史を振り返ってみよう。

(記憶を中心に書いているため厳密には違うこともあるかもしれません。お含みおきください。)

多分英語間違ってるパワポ表紙


まず大前提として「吉本興業のオリエンタルラジオ」が東京吉本に与えた多大な影響について確認したい。

NSC在学中に「武勇伝」のネタを完成させていたオリラジは、2004年デビュー後すぐに「エンタの神様」に出演し大ブレイクする。

そして吉本は2006年、オリラジ活動の場を設けるため、渋谷に「よしもと∞ホール」という劇場を作った。とされている。

当時はこの劇場からオリラジとほっしゃん。による配信番組が毎日放送されていたが、現在は東京吉本若手芸人の拠点として多くの売れっ子、賞レースファイナリストを輩出している。

つまり言ってしまえば
オリラジなくして∞ホールなし。
ひいては東京吉本なし。
この劇場から巣立った、もしくは現在劇場で活躍されているたくさんの芸人さんたちの歴史も変わっていたかもしれないというわけだ。

そんなオリラジが、PERFECT HUMANになるまでは大きく分けて5つの時代に分かれる。

2004〜2015の売れ方グラフ

2004-2006 [武勇伝期]
デビュー間もなく「エンタの神様」で大ブレイクする。ゴールデンの冠番組を3本持つ。

2007-2009 [低迷期]
全ての冠番組が終了する。漫才を頑張る。
ラジオで大喧嘩して話題になる。

2010-2011 [チャラ男期]
藤森慎吾がチャラくなる。
あやまんJAPANと時代の波に乗る。

2012-2013 [安定期]
「ヒルナンデス」のレギュラーになる。
「しくじり先生」でのプレゼンが話題になる。

2014-2015 [ラッスン期]
後輩のネタを完コピして話題になる。


約10年の間にこんなにも浮き沈みと話題性のあるコンビがいるだろうか。
そして、この中で特に興味深いのが、安定期からラッスン期に至るオリラジである。

まずネタについて。M-1隆盛の時代に、歌ネタで売れたオリラジは、その後漫才に注力するも決勝には行けなかった。
しかし2013年頃、そんなオリラジにしかできない「カリスマ」というネタが完成する。
漫才と歌ネタの中間のようなもので、これをTVで観た時「どうした?!」と釘付けになってしまった。

ネタの変遷

そして、オリラジ内部での改革について。
当時、吉本の芸人さんが日替わりで喋る「よしログ」というインターネット配信があり、皆さんラジオのようにゆったりとエピソードトークをするのだが、この場を作戦会議と捉え、パワポまで用意し、自分たちの未来をプレゼンしていた芸人がいた。
お見込みの通りあっちゃんである。

今から10年ほど前のオリラジは知名度こそあるものの、劇場人気は落ち着き、ライブをしても∞ホール(キャパ約200)が埋まらず苦戦していたという。

この状況をどう打破するか。
そんなテーマであっちゃんの口から語られたのが「平成26年 オリエンタルラジオの改革」である。(私が勝手にそう呼んでいる)

ポスターの大切さを力説していた


単独ライブに客を集めるために自身のホームページやライブの内容、ポスターを一新。
ブログを頻繁に更新しファンとの距離感を詰め、ネタは歌ネタに絞る。

以来、毎月∞ホールで単独ライブを開催し、この改革から約一年後に私が観に行ったときには、しっかり満席になっていた。

当時のライブレポ


会場に入る際、なぜかサイリウムが配られ、
席には2人からのメッセージが置かれている。明らかに普通のお笑いライブとは違う雰囲気。

2人が登場し1時間ほどトーク。
あっちゃんが日本の教育制度に腹立って眠れなくなった話や、慎吾が今好きな女の子の話など。本質は現在も変わらない。

そしてトークの後、楽曲制作VTRなるものが流れ、脳内に?マークが浮かぶ中、新曲として披露されたのが、あの「PERFECT HUMAN」だった。

サングラスをかけたNAKATAが
首を傾げて「I’m a PERFECT HUMAN」

会場は爆笑に包まれた。


その後の活躍は皆さんご存知の通り。
「PERFECT HUMAN」は大流行し、紅白歌合戦でも披露される。
その後あっちゃんは本格的にYouTubeの道へ進み、吉本を退所する。

思いついたことを次々実行するコンビ。
トライすればエラーもある。
後輩のネタをパクるなんて迷走していると思われていたPERFECT HUMAN前夜は、オリラジに必要な革命が起きていた時期とも言えるだろう。

これは迷走か、いや革命である。

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