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姉弟日記 『隙間』

霞がかった空、立ち並ぶ石塔。

見渡す限りの灰色の世界に、
二人ぶんの足音が響く。

少女は普段のように話題探しもせず、
心地のいい沈黙に身を委ねていた。

ふと、前を歩く少年に目を向ける。

思い出の中より少し大きな彼の背中に、
空白になった家族の時間を思い知る。

歩幅の差であいた距離を埋めるよう、
少女は僅かに歩みを早めた。

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