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揺れる私/不妊治療記録③

拝啓 神様。
私に赤ちゃんをください。くださらないなら、諦める覚悟をください。

🐈

私の不妊治療について、完全主観で記録してみる。
誰のためでもない私のためだけど、記したって、記さなくたって辛い。
だったらせめて、声にならない思いを、あてもなく発してみよう。

不妊治療記録③

今回は、①の続きの時系列のお話。よろしければ是非。

不妊治療開始のための一通りの検査を終えた。
一方で旦那さんにも同じクリニックで検査を受けてもらった。
精液検査の結果は悪くないけれど、精子濃度が基準値より若干低いというものだった。
他の項目は基準値をクリアしていた。
しかし、精索静脈瘤かもしれないから手術した方がいいのではと言われたとのこと。
正直、また手術?!と思ってしまった。
私も卵管狭窄気味とやらでFT手術しようと言われたばかりだ。

旦那さんはずいぶんと身長がある方なのだが、先生曰く、背の高い人は静脈瘤ができやすいとかなんとかとのこと。
手術すれば数値はあがると言われたようだ。

たくさんある項目の一つが基準値を若干下回っただけで手術を進められるのか?
その日のコンディションにもよるのでは?

すでに私も手術を軽々しく進められていたので(という印象・心象)、クリニックに対して不信感が出てきていた。
早ければ早い方が良い。原因と解決策が明確ならそれに越したことはない。
わかっているけど納得できないし、そもそもこのクリニック、信用できるのか?という気持ちが勝ってしまっていた。

🐈

私が当時通っていた最初のクリニックは不妊治療専門で地元でも有名な大手の病院であった。
先生が複数名いて、指名はできない。
毎回違う先生に診てもらうということがほとんどである。

私の卵管造影をしてくれて、FT手術しようと進めてきた先生はそこのトップの先生だったようだ。
卵管造影後の診察では別の女性の先生に当たったが、FT手術日を調整していこうという内容の話しかなく、選択肢はないといった感じだった。
その時点で風疹・麻疹の予防接種を終えていなかった私は、まずそれを受けようというところで終わった。


避妊期間2か月の間にいろいろ考えてみようと思っていたが、私も手術、旦那さんも手術の道しかないのかな。。と、思考は止まった。
そのまま仕事が忙しくなったり、プライベートでも状況変化があり、色々理由を付けて避妊期間を終えてもそのクリニックにいくことはなかった。。
その間もタイミングは取っていたが、やはり妊娠する気配はなかった。

🐈

妊活のこともFT手術のことも常に頭の片隅にはあった。
早く決めないとと焦る気持ちはあったけれど、どうしても信じきれないあのクリニックには戻りたくなかった。
でも専門クリニックで、大手で、実績も多数なクリニックを疑うということ自体が愚かなのかもしれない。
理解している。でも本能は拒否していた。
身近に同じ境遇の人がいなかったため、相談できる人はおらずネットで情報を探す日々だった。


そんなとき、不妊治療を何年もされている方の動画を発見。
何年もタイミング法、人工授精、体外受精を行い、やっとやっとお子さんを授かった方が、自身の不妊治療を振り返って語っている動画だ。
その方は冒頭で、まず病院は3回変えたと話していた。
不妊治療にも至っていない、検査を終えただけの私にとっては、3回の転院という経験が、すでに新鮮な情報だった。
しかも理由のひとつとして、「大手だからなのか忙しいからなのか、事務的な感じで流れるような診察ばかりで、親身になって相談に乗ってくれる先生や看護師さんがいなかった。不妊治療自体が苦しいのに、病院に通うことすら辛いと続けられない。」といったことを語っていた。

私はいつの間にか泣いていた。泣いていることに気付いて、さらに泣いた。

病院を変えた理由を聞いただけなのに。
嫌だなと思ったら変えていいんだ。私と同じ気持ちの人もいるんだ。
たったそれだけなのに、ものすごく救われたような気がしたし、ストレスが溜まっていたんだなとそのとき気付いた。
思考ストップは無意識のストレス防衛だったのだなとも思った。


そういえば、FT手術を勧められたころ、親しい友人から安定期に入ったと報告を受けた。
喜ばしいことだから、と言い聞かせるように祝福のメッセージを送った。
作文能力が高くてすごいね。最低な自分を褒めてあげた。

🐈

時間がない、前に進みたい。
私は他の病院を探すことにした。
行動を起こすことに前向きにはなったものの、本当に子どもを欲しいと思っているのか?という問いが付いて回っていた。

その美しく輝く本物のダイヤモンド、いくらで買いますか?
お金は準備できる?
ちゃんと着こなせる?
いい歳だから、持っておきたいだけ?
本当に好き?
大事にできる?
維持できる?私は老いていくけど。



続く。



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