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#116 宮沢賢治と大谷翔平(5)

(続き)

再び話が脱線していますが、もう少し中村天風の話を続けます。

中村天風の思想は、中村の完全なオリジナルなのでしょうか。
中村の教えには、ヨガのような身体的な面もありますし、中村自身、幼少期に武道に秀で、日露戦争前後は陸軍のスパイとして、大陸で超人的な活躍をしたという、伝説的な話も伝わっています。また、戦前の代表的な国家主義者の一人である頭山満に師事したり、戦後の天風会の指導の中でもテレパシーの訓練をするなど、一筋縄では説明できない背景を持ち、思想的な面では、アメリカのニュー・ソート思想からの大きな影響が感じられます。

ニュー・ソート思想とは、英語で書くと「New Tougt」、新思考という言葉であり、前に説明した「引き寄せの法則」は、このニュー・ソート思想の中にある考え方の一つです。元々は、アメリカのキリスト教の思想から派生し、
・ 人間は宇宙と直接結びついた偉大な存在であるから、潜在的に大きな力を持っている
・ 人間一人一人には、宇宙から与えられた神性を持っていることから、人は自分の内なる力を信じ、積極的に行動することで大きな成功を得られる
・ 宇宙や世界には、目に見ることができないが、エーテル状の微粒子が満ちていて、積極的な思考は良いエーテルを引き寄せることができる
といった思想を生み出していきます。

ここで、宮沢賢治に触れた方であれば、どこかで見たことがある不思議な言葉、「エーテル」が登場します。

(続く)

2024(令和6)年2月8日(木)

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