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34.「幸せ」は地中に

今日は、自然を比喩にした話を書きます。

「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんは、畑の状態を自然に近づけたことで無農薬でリンゴ栽培を可能にされたといいます。

木村さんが、無農薬栽培のヒントが地中にあると気づく前は、目に見えることしか頭の中になかったそうです。

無農薬でリンゴを栽培をすると決めて、最初の取り組んだのはリンゴの樹に寄生している害虫を駆除することや雑草の除去。

ただ、そういった目に見えることだけをしていても全く上手くいかず、リンゴの樹は弱っていき実を付けることもなくなって、木村さんは途方に暮れることになります。

しかし、ある時、地中の中にヒントがあるということに気づく体験をします。

山に中にあったドングリの木が、害虫や雑草を気にすることなく元気に過ごしているのは土の状態だと気づき、そのドングリと同じような土壌を、自分のリンゴ畑に作ればいいと思い立ちます。

当然、弱ったリンゴの木の地中の状態を改善することですぐに元気を取り戻すことはありませんが、徐々にリンゴの樹は元気になり、数年をかけて無農薬でリンゴを実らせることに成功します。

無農薬で育った木村さんのリンゴは、言葉では表現できないほどの美味しさだそうです。

そして、今では無農薬でリンゴの樹を育てたいと思う人も増えているそうです。

こういったことは、現代の我々に今起こっていることです。

我々は、これまでは目に見えるもの体裁よく整えようとして生きてきました。

見た目のよい木を作り、雑草を除去し農薬を与え、形のよいリンゴを綺麗に並べるというような生き方をしてきたといっていいでしょう。

しかし、土壌に栄養がいきわたっていない樹は弱く根が地中深くまでは入って行くことがありません。

体裁がよく見えても根が育っていない樹は、トラブルに耐えることができなかったりします。

雑草を除去し農薬を散布するということは結局は対処療法でしかなかったのです。

実際に、台風が青森を襲ったときに、多くの農家のリンゴの実は収穫前に落ちてしまったそうですが、木村さんの畑のリンゴだけは落ちることはなかったそうです。

台風に耐えられるのは根が大地に根付いているからであり、強い雨風でも実が落ちることはありません。

地中を自然に近づけたことでリンゴの木は強くなり、実を落とすことがなくなります。

木村さんは、土の中という未知の領域を研究したからこそ、台風に耐えられるリンゴを生み出したのです。

地中とは、目には見えない世界です。

目には見えないから、目に見えるように研究し、その中から法則性を発見し、その法則性を活用していくことで、地中深くまで根を伸ばしていけるようにしていきます。

それが、今、私たちがやり始めたことといっていいでしょう。

目には見えない世界を知ることで、人としての土壌を豊かにしはじめているのが今の時代であり、それをやり始めている一部が我々です。

たとえば潜在意識に注目してみるということは、これまでの世の中のアプローチとは異なるやり方です。

これまでは顕在の世界を目に見えるやり方でよくしていこうというのが主流のやり方でした。

しかし、これからは人にとっての地中にあたる潜在意識に注目し、それを活用していくことで、耐性のある人間を育てていくように変化してくことでしょう。

潜在意識の世界は目に見えない分、理解することが難しかったりしますが、上手に活用できるようになると、少しくらいの嵐ではびくともすることはありません。

潜在意識から伸びた根は、いわば大地に根付いているので、樹の根元はしっかししているし、一本一本の枝葉はしなやかだったりするのです。

地中深くに根が届けば届くほど、その養分を吸い上げて顕在として見える樹は立派に育っていくものです。

「木の根」と「地上の木」は相似形であるため、根が育って地中深くに伸びていけばいくほど、樹も立派なものになっていきます。

根が地中深くまで伸びていけばいくほど、樹は大きく成長していくものです。

私たちも、潜在意識のさらに奥にある根源的な意識の養分を取り入れることができるようになれば、人としての可能性をますます育んでいくこともできます。

これが、我々が今しようとしていることです。

目には見えない法則性を熟知し、それを生き方に活用していくことで顕在の世界の可能性を広げていけるようになっています。

地中を人の深層心理にたとえるなら、そこは潜在意識の世界であり、さらに奥に進んでいくと集合意識があり、さらに深く根を伸ばせば地球の意識へと繋がっていきます。

私たち、一人ひとりが地球意識と繋がることができたとき、私たちの行動が変化します。

地球の視点を取り入れながら、我々の生活を形作っていきます。

そして、我々一人ひとりが深い部分まで意識の根を下ろすことができるようになると「私」という存在が「大樹」となるのです。

残念ながら、大樹になるべく深いところまで根を伸ばす明確な方法は、まだ見つかっていませんが、これから先、我々が諦めることなく、日々、地中の研究をして行けば、やがてそれが見つかっていくはずです。

我々が、目には見えない意識の世界を探求し、明確にできるようになれば人類としての霊性を高めていくことになります。

そして霊性が高まった人同士の根が地中で出会い、結びつくことができると集合意識が変化し、この人間世界の精神の土壌そのものが改良されていくことでしょう。

そういった意味でも、目には見えない世界である地中(潜在意識・集合意識・地球意識)を探索していくことが、今の我々の使命といってもいいかもしれません。

世界を変えるなら「私」の意識という土の中から。

「幸せ」は「私」の中にあります。

土の中を改良し変化させることは大変なことかもしれません。

しかし土壌を改良できれば、根を地中深くまで育てることができるようになるものです。

そして私たちのがいい土壌をつくることができれば、それが次の世代に引き継がれることでしょう。

今、私たちがしなければならいことは、目に見せない世界の法則を理解し活用し顕在の世界を変化させていくことです。

そのためにも、日々の実践を続け、まずは「私」を「大樹」にしていく所から始めていくことが大切だと思います。

柔らかな土壌を作って根を伸ばし、この世界に風雨にひるむことなく生きていける力を養っていくことが、これから一人ひとりがすべきこと。

自分の心を柔らかくし、人としての生命力の根を奥深く伸ばしていくことができたとき、強い雨風が来ても赤いリンゴの実を落とすことなく、収穫の季節を楽しめるときがきることでしょう。

それにしても、どういうわけかリンゴはなぜか比喩に使われる果実です。

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