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理学療法士国家試験国家試験対策:第59回直前対策:MMTの代償問題

MMTは3点問題で出題されるので、失点せず得点したいところです。ここでは、読者の方から質問がありましたので、国試未出題の代償問題をお示ししたいと思います。

これは、模試でも複数回出題されていましたが、国試ではまだ未出題です。

[2018年第3回午後1]
Danielsらの徒手筋力テストで膝関節屈曲・段階3のテストを実施したところ、図に示すような体をねじるような運動がみられた。この代償運動への関与が疑われる筋はどれか。

1.腰方形筋   
2.薄筋   
3.腓腹筋
4.腸腰筋    
5.大殿筋
            
                答え:4
【解説】
図では股関節屈曲によりテストする側の臀部が持ち上がり、患者が背臥位になろうと身体をかるくねじるようにみえます。
1.腰方形筋は骨盤の挙上に作用する
2.薄筋は膝関節屈曲の補助筋であるが、股関節に対しては内転を生じる
3.腓腹筋は膝関節屈曲の補助金であるが、足関節底屈を生じる
5.大殿筋はハムストリングスとともに股関節伸展筋であり、膝関節運動には作用しない


[2021年第1回午前2]
Danielsらの徒手筋力テストで膝関節屈曲の段階3を測定する際、図のように臀部が持ち上がり身体を軽くねじるような代償動作がみられた。代償動作を生じさせている筋はどれか。

1.腸骨筋    
2.腓腹筋   
3.大殿筋
4.梨状筋    
5.薄筋

               答え:1
【解説】
図では股関節屈曲によりテストする側の臀部が持ち上がり、患者が背臥位になろうと身体をかるくねじるようにみえます。
2.腓腹筋は膝関節屈曲の補助金であるが、足関節底屈を生じる
3.大殿筋はハムストリングスとともに股関節伸展筋であり、膝関節運動には作用しない
4.梨状筋は股関節外旋に作用する
5.薄筋は膝関節屈曲の補助筋であるが、股関節に対しては内転を生じる

【ポイント】
膝屈曲の代償を腹臥位で行う場合、膝を床面から持ち上げられないので、かわりに股関節を屈曲させて体幹と膝の間に空間を作ろうとするのではないでしょうか?

代償の基本は天井側の筋ですが、股関節の場合、ハムが作用しない場合、背面(天井側)にあるのは大殿筋や腰方形筋ぐらいです。大殿筋は股関節伸展作用があり、骨盤部をむしろ床に押しつけるような感じになるので、代償にはならないと思われますし、腰方形筋は骨盤挙上のみです。

腸骨筋・大腰筋(腸腰筋)は股関節屈曲と外旋の作用があります。図の動きに合致しています。



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