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動植物の話22 「馬に乗るまでは牛に乗れ」(712文字)

何でも物事は一足飛びにはいかないので、手始めに簡単なことから始めて少しずつ慣れていくことが肝要という諺です。

まずは牛に乗ることで、動物の背に乗って道を行くというのはどういう感覚なのか、それを実体験することが大事ということなのでしょう。
そして牛に慣れたあと今度は馬に乗れば、比較的スムーズに乗馬をマスターできると思います。

何かをするに際しても、段階を経て進めていかなくてはよくない。

私たちは、目的ができれば、なるべく早くそれを到達させたいという願望がありますが、そんなに焦ってはいけない。

最終目標は持ったにせよ、初めは簡単で易しいところから行い、まずはそれをマスターし、その経験を基礎に、目標に向けて地道に事を進めていく、というスタンスが重要だと思います。

世の中には、「最速で成就できる方法」などというノウハウ本もあるかもしれませんが、確かに無駄な骨折りはしたくはないし、その必要もないとは思いますが、最短で成就することが将来的に本当に良いことなのか、私は疑問に思うのです。
それは、何か事あったときに、非常な脆さを感じるからです。

一見遠回りしたと思うことでも、後になってよくよく振り返ってみたら、その経験は無駄ではないということもあります。
いやむしろ、その遠回りした経験が基になって、紆余曲折の後、今の己がある、という実感を持つこともあるのが人生でしょう。

「押しも押されもしない」という言葉がありますが、そのような盤石な態勢というのは、あれこれと苦しい体験をし、すんなりとはいかずに遠回りした結果に獲得できるものではないのか、と秘かに思っています。

※今回掲載の写真は、「photo AC」からダウンロードさせていただいたものです。

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