マイナー製品の技術習得に時間を使いたくない海外IT技術者

海外のIT技術者の多くは、メジャーな製品を扱うことを好みます。これはエンドユーザーのIT部門でもシステムインテグレーターでも同様です。特にGartner Magic Quadrantで高評価を受けているような製品です。

セキュリティ系ならPalo Alto NetworksとかFireEye、IaaSならAWSかAzure、メールサーバーなら当然MS Exchange、ネットワーク系ならCiscoやせいぜいBrocadeとかそういうやつです。もっと言えば同僚・先輩にそういうのを教えてほしいと思っているのです。

あなたの会社がソフトウェアメーカーだとして「ウチの製品はこれだけ素晴らしい」とアピールしても進出国でスーパーエンジニアを採用するとか、販売代理店のエースSEを付けてもらうのは難しいかもしれません。

なぜなら、マイナーな日本製品のノウハウを得た所でそんな知識は将来「高く売れない」のです。IT技術者はメジャーな製品の経験を積んで、もっといい会社に転職してステップアップしたいと思っているからです。
しかも、日本国内ユーザーの要望をフィードバックして出来上ってきた日本製品はやたらと高機能・多機能・複雑で、運用するのに手間がかかります。彼らは分厚いマニュアルなど読みません。

これは「会社員として企業に所属し、その内部の職務としてどのプロダクトを担当する」という発想の日本人と、「自分はネットワークセキュリティのエンジニアで、そのキャリアを高めていい給料を貰うのに次はどこの会社で働こうか」と捉える非日本人の違いが顕著に出ています。彼らは「就職」しているのであって「就社」しているのではないのです。

技術者にとって給料も大切ですが、市場性ある技術を身につけていかないと、経験を積んでレジュメにそれらを書けるようにしていかないと将来詰んでしまいます。はっきり言えば、将来売れない経験など面倒くさいだけなのです。

日系企業に働くローカル社員は、アニメや漫画から入った日本好きか、たまたま日本語を学んだか、激しい競争を嫌う穏やか社員です。あとはなんとなく縁があったとかで「日本のITは素晴らしいから日系企業で働きたい」などと考える人はほぼいないでしょう。

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