生命保険 解約返戻金って何?低解約返戻型の注意点

こんにちは。SKPです。
いわゆる貯蓄型・積立型と呼ばれる生命保険の商品があります。これは「途中で解約しても、いくばくかのお金が返ってくる」ものです。この解約時に返ってくるお金のことを「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」といいます。

逆に途中解約でお金が返ってこない保険は「掛捨て」と呼ばれていますね。「掛捨ては嫌」という人も多いのですが、掛捨ての方が保険料が安く、小さい資金で最低限の保障を買うのであれば、有用な保険商品となります。

今回は、解約返戻金についてご紹介します。

解約返戻金の仕組み

生命保険会社は、将来の保険金の支払いに備えるために、加入者が支払っている保険料の中から所定の割合を『責任準備金』として積み立てています。

責任準備金とは、生命保険会社が将来の保険金や給付金、年金等を支払うために収入保険料の一部を積立てているもので、保険業法で義務付けられているものです。

その積立金(責任準備金)の一部が、保険を途中で解約した場合に解約返戻金として加入者に払い戻されます。なお、特定のケースを除き一般的には、解約返戻金はそれまでに支払った保険料総額よりも少ない額となります。

5年間のような短期の定期保険。いわゆる「掛捨て」には解約返戻金がありませんが、これは加入から5年を過ぎたら「契約が終わる」つまり、保険金を支払わなくてもよくなるため、備え積み立てる必要性が少ないためです。

替わって終身保険は「一生涯」保険金を受け取る期間があります。保険会社から見ると、必ず保険金を支払わなければならないため、それに備え積み立てる必要性があるということになります。となると解約返戻金が生じるということになります。

保険期間が長い保険商品に解約返戻金があるものが多いのはこういった理由です(保険料を小さくするために、あえて「解約返戻金無し」というものもあります)。

解約返戻金があるということは、保険料の一部が積み立てられるということ。解約返戻金が大きいということは積立金が大きいということになります。つまりその分、掛捨てと比較して支払う保険料が高くなるということになります。

解約返戻金は最後に0円になる?

解約返戻金がある保険の設計書(保険内容の詳細を記したもの)を見たことがある人は、保険期間の最後に解約返戻金が0円になっているのに気が付いたでしょうか?

解約返戻金は、加入からある一定期間を超えてから減少し始め、最後は0円となります。これは、保険に加入して期間が経過すると、将来の期間・保険期間の残りの期間が短くなっていきます。

残りの期間が短くなると、責任準備金として積み立てておく必要性が徐々になくなっていくため、責任準備金の減少に合わせて解約返戻金も減っていくのです。

減少が開始する手前を解約返戻金のピーク、減少の開始を解約返戻金のピークアウトの開始などとも言ったりします。死亡時の保障という目的ではなく、積立・運用目的で「途中解約し解約返戻金を受け取る前提」で保険に加入する場合、この時期をしっかりと把握しておく必要があります。

低解約返戻型には注意?

解約返戻金を保険の加入時から一定期間抑え、一定期間を過ぎたら返戻率が急激に上がる「低解約返戻型」というものがあります。商品にもよりますが、保険料の払込期間中は「解約返戻金」が抑えられていることが多いです。

この「低解約返戻型」は、一定期間中は途中解約してもほとんど解約返戻金がないため、通常のものよりも保険料が下げられています。この「低解約返戻型」を含め、積立系の保険を選ぶ際には注意点があります。

保険に加入する際は、「その時の資金繰り・状況」を考えて保険に加入します。つまり「その時は普通に支払える」金額の保険料で考えるわけです。

しかし当初は、資金繰りや状況が順調であり支払えた保険料が、数年後に状況が変わり負担になる。ということは当然あり得ます。こういった時、保険をどうしたらいいでしょうか?

もちろんこういった場合、さまざまな対応が取れるのですが「一時金として解約返戻金をあてにしたい」といった場合、低解約返戻型や返戻率の立ち上がり(上昇率)が遅い積立系商品は、その時期に解約返戻金が少なく、資金のあてにすることができず、解約返戻金をあてにするには、あと数年高い保険料を支払う必要がある。という状況になることがあります。

もちろん、解約返戻金が少なくとも解約さえすれば「保険料」という出金そのものは止められますので、支出の減少にはつながりますが、「あと数年で解約返戻金が大きくなる」といった時、資金繰りが厳しくても「解約するには抵抗が…」と思う人は多いと思います。

こうなってしまうと「お金にまつわるリスク」に備えるための保険で「お金に苦しんでいる」という本末転倒な状況にもなりかねません。

そういったリスクに備え、加入検討時期から、返戻率はどれくらいから上がってくるのか、返戻率が上がってくるまで保険料は資金繰り上問題がないのか、しっかりと検討しておくことが大切です。

もちろん「低解約返戻型」にもメリットや魅力はあるのですが、それだけにとらわれすぎないようにしてくださいね。


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