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保険は「相互扶助」でも、保険会社は営利企業

こんにちは。SKPです。
生命保険について、これまであれこれと書いていますが、今回も引き続き「生命保険の保険料」について少し触れたいと思います。

以前、生命保険の保険料の決まり方をご紹介しました。

要約すると、生命保険の保険料は、以下の3項目で決まっていて、「運用率・死亡率・保険会社の事業費率」が保険料の決まる基準となっています。

1.予定利率   (運用利回り/保険契約者に約束する運用利率 )
2.予定死亡率  (性別・年齢別の死亡割合)
3.予定事業費率 (保険会社の経費の割合)

予定死亡率の判断材料「生命表」

この内、2.予定死亡率は「生命表」を基準にして算出されます。

生命表とは、「各年齢の人が、1年以内に死亡する確率・平均してあと何年生きられるかという期待値などを死亡率や平均余命などの指標(生命関数)によって表したもの」です。

これは厚生労働省のホームページなどで公表されています。

令和元年度の簡易生命表によると、今0歳の男児10万人が60歳になった時の生存者数は9万3233人です。数字上、9割以上の人は、無事還暦を迎えられる統計値、ということです。

さらに6割強。6万4189人が、80歳になっても生存していることになります。日本人の平均寿命は毎年伸びていますから、今後もこの数値は伸びていくのだと思います。

ここから分かることは何でしょう?

それは、「何らかのリスク」に遭遇し、命を落としてしまう人は、想像している以上に少ないということです。

日本人は「保険に入りすぎ」とも言われていますが、確率的には決して高いとはいえないリスクに備えて、私たちは「人生で住宅の次に高い買い物」と言われる生命保険に入っているわけです。

月額5000円、年間6万円の保険料だとしても50年払い続ければ300万円となりますしね…。しかも多くの人は保険は複数に加入しているので、実際はもっと大きな金額になります。

とは言っても、可能性がいくら少なくとも【万が一】があった時に、会社や家計が困窮してしまうわけですから、『生命保険とは無縁』という人は少ないと思います。

『保険商品』は、保険会社にとって利益が出る

保険は「相互扶助」つまり「助け合い」の制度です。しかし、それを販売している保険会社は当然「営利企業」です。

保険会社は営利企業ですから、保険を販売したら「保険会社には利益」が出ます。販売したら損…なんてものを普通は販売しません。

つまり、あらゆる保険商品・生命保険は、保険会社にとって利益が出るように設計されています。

この利益の部分が「3.予定事業費率」の部分ですが、一般的にこの比率は公表されていません。

この比率は概ね20%〜40%程、と言われていますが。生命保険の種類によっては50%以上もの経費率になっている…というのもあったりします。

この比率は高いと思うでしょうか?考えてみてください。銀行にお金を預けたとして、引き出す際に手数料として20~40%引かれたとしたら、その銀行にお金を預けるでしょうか?

もちろん、「お金を預ける」と「生命保険」を同じ土台で比較することはできませんが、【保険で貯蓄をしよう】というのは、こういう意味に近かったりします。

保険商品にも利益率がある

保険の中には、貯蓄性があるものがあります。分かりやすいものでは『学資保険』が最たる例です。

こと「保険会社側」からすると、こういった商品はあまり利益が出るとは言えません。

学資保険は必ず給付金がもらえます。つまり保険会社からしたら「いつかは必ず契約者に預かったお金を返さないといけない」商品というわけです。

お金を預かっている期間で上手く運用できなければ損になる…ということで保険会社にとって利益率が高いとは言えません。

逆に、「今から10年の間に万が一のことがあった時に5000万円を支払う」というような保険。つまり掛捨の死亡保険は、10年以内に死亡しなければ、保険料は保険会社にとってまるまる収益になります。

そして死亡の保障であるなら、先ほどの生命表の話の通り、「万が一」が起きる確率はかなり少ないのです。統計上、男性であれば93%以上の人が60歳まで生きることになるのですから。


生命保険は「助け合い」で成り立っています。万が一のために備える制度・仕組みとして良いものであることは間違いありません。しかし、保険会社は営利企業です。営利企業である限りは、利益を生みださなくてはいけません。

生命保険は「買い物としては高額」です。【不要】とは言えませんが、本当に必要なもの・目的にあったものだけ加入するように注意してください。

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