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生成AI活用のフェーズが変わった

Google for Education認定トレーナー/コーチの笠原です。

2023年が生成AI元年であり、今年2024年がいよいよ活用の本格化だと言われています(たぶん)。

そのような状況において、色々な実践の提案が各所で行われており、少しずつ使い方のカタチが見えてきている段階だと思います。

ところが、そのような玉石混交な状況から、頭一つ抜けた提案を行う一冊がついに現れました。

この本は今までの教育書における活用の提案とは、一段階レベルが上がっています。

ChatGPTに最適化されたプロンプト

まず、この本で一つレベルが突き抜けているのが、ChatGPTにどのような命令を与えるか、つまりプロンプトに関する解説が圧倒的である点です。

初心者向けの解説をもちろん丁寧に行った上で、マークダウン記法などの解説を行うことで、AIがどのような表現なら分かりやすいのかということを理解できるようになっています。つまり、その気になれば自分で真似することが出来るようにもなっている訳です。

さらに全てのアイデアについて、「解説付きプロンプト」が提示されているため、どのような仕組みでChatGPTが動いているのかも理解しやすく、また、詳しい仕組みを理解しなくても非常に高い再現性で、紹介されている事例と同じレベルのことができてしまうのです。

ChatGPTに与えるプロンプトは、ある意味で非常に大きな知的財産になります。その財産を惜しみもなく共有されていることに、まず脱帽します。

授業・校務の発想転換

この本が他の本と一線を画しているのは、授業や校務の考え方をそもそも大きく転換している点です。

他の本の傾向は、今までの教室、今までの職員室の業務ややり方を少し効率化するための提案やプロンプトの紹介であったように感じます。

もちろん、そのような誰が使っても分かりやすく、便利さを感じやすい活用提案は2023年活用元年には非常に意味があったことでしょう。

しかし、実際に活用のフェーズに入ってきたときに考えるべきは、「そもそも今のやり方の延長だけで良かったのだっけ?」ということです。

AIという強力なツールが入ってきたことによって、今までとは少し違う教育のアプローチが可能になるのでは?という問いを少しずつ考えていくフェーズにあるように感じます。

本書はまさにそのような問いに対して、足場かけになるような一冊です。これまでを再生産するのではなく、生成AIだからこそ出来ることを深掘りしていく、そういう挑戦のための提案が見られる本になっています。

ICTの活用についてはSAMRモデルという考え方で説明することが多いのですが、この本はいきなりSやAレベルを飛び越えて、M以上の活用の提案をしているように感じます。

できるできないを乗り越えて

この一冊は、とりあえず紹介されているプロンプトを真似るというだけで、すぐに生成AIの効果的な活用がスタートできるものになっています。

この一冊が出たことによって、「生成AIはよく分からないから使わない」という状態からは脱却の可能性が高くなったように思います。

そのため、「分からないから使わない」という段階から、「とりあえず使ってみてもいいかも」「使ってみて授業や教育のあり方を議論しよう」という段階に入るきっかけになるのではないかと感じます。

「よく分からないから使わない」というのが勿体なくなる一冊です。


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