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『まんがで知る デジタルの学び3』はGWにみんな読もう!

Google for Education認定トレーナー/コーチの笠原です。

表題の通りです。

『まんがで知る デジタルの学び3』はみんなGWに読んだ方が良いです。そして、先生たちの力を結集して、一歩ずつ教育を前に進めましょう!

帯に「教師が本気で力を合わせるとスゴいことになる!」とキャッチコピーが書いてありますが、まさにそういう期待にワクワクできる読後感を得られる一冊です。

デジタルの学びの目指す先

本書を語る上で最も重要なことは、「何のためのデジタルの学びなのか」という問いです。

ある意味でネタバレなのでネタバレを嫌う人は以下の内容は読まないでいただければと思いますが、この問いに対する見通しを持ってこそ、本書はじっくりと読まれる方が良いと思うので、あえて最初に言及してしまいます。


本書におけるデジタルの学びの目指す先とは「1人1人が持っている可能性を信じて伸ばしていくこと」という登場人物の言葉にすべてが凝縮されていると思います。

なぜ授業改善なのか、なぜ教員同士の協同なのか、なぜICTなのか……様々な「なぜ」が教育が学校現場をめぐって常に問われています。この「なぜ」ということに上手く答えられないときに、様々な取り組みは力を失い、時間をいたずらに奪い、現場からはブラック労働の根源と言われるようになってしまうように感じています。

だからこそ、本書が様々な葛藤を乗り越えて提示している「1人1人が持っている可能性を信じて伸ばしていくこと」という「なぜ」に対する答えは、シンプルかつ教えることを志す人にとっては力強い言葉なのです。

「1人1人が持っている可能性を信じて伸ばしていくこと」という言葉を心に留めながら、本書の中で描かれている様々な子どもの様子や先生たちの葛藤の様子を読み込んでいくと、吉良先生の視線が見ているものが見えてくるような気がします。

「まんがで知る」シリーズに応援される

本書を手放しで自分が絶賛する理由は、徹頭徹尾、教育という仕事を魅力と誇りのある仕事だと描いている点です。

そして、現場の先生たちの葛藤や苦しみを直視した上で、それでもなお、教育現場の持つ力の可能性を信じさせてくれるからです。

それは絵空事ではなく、各章の章末に紹介される参考文献からも分かるように、色々な実践や理論を現場の目線から組み上げることによって「教員の力で学校は変えられる」という可能性を示してくれています。

だからこそ、力強く、明日からの現場で頑張ろうと思えるだけの応援として受け取ることが出来るのです。

本シリーズの結末はいつでも軽やかに明るい。

べったりとしたドラマのようなハッピーエンドではなく、ずっと続いていく日常が少し明るくなる、そういう軽やかさで描かれるのです。

だから、自分も頑張ろうと思えるのです。

そして各々の現場へ

以前のシリーズでも紹介しましたが、本シリーズのよい点は、学校や職員室の姿にリアリティがあることです。

それでいて、ベテランの持つ高い解像度の現場の見方が紹介されているので、学校の課題に対する様々な見方を考えることが出来るようになるのです。

本来は職員室の教員同士の会話の中で育っていく「見方」というものが、最近の職員室の年齢構成の変化や多忙化で上手く継承されていかない状況において、本シリーズは職員室が持っていた機能の一部を担ってくれるようにも思います。

だからこそ、本書を多くの人が読んで、その上で自分たちの現場で教員同士の連携を始めることで、真に本書の価値が発揮されるでしょう。

現場の抱えている問題はなかなか難しいものも多いです。そして、生成AIをはじめとして様々な課題への対応にいつでも追われています。そのような奮闘があるのに、外野からは著しく教職の役割は軽く扱われる時代です。

テクノロジーによって変わる教育があるでしょう。しかし、教員の仕事が軽んじられることに対しては、自分ははっきりとNoと言います。

1人1人が持っている可能性を信じて伸ばしていくこと」は我々、教員の可能性にも言えるのです。学び続けること、少しずつ変化することにチャレンジすることで、もっと教えるという仕事は面白くなるはずです。


今回も読んでいただきありがとうございました。シェア、コメント、いいね!をしてくれたら嬉しいです。

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