今の自分は偶然か?

リーマン生活の集大成と銘打って始めたnoteですが、今の自分のキャリアは自ら描いて形成されたものなのか、はたまた偶然なのか…

一般的には、自分の興味、能力や適性、そして周囲の環境などから考えた「なりたい自分(To-Be)」を描き、「現在の自分(As-Is)」からそこへと到達する、ステップアップの道筋を明確にした上で意図的に積み上げていくものと考えられて来ましたが、必ずしもこういったアプローチが有効とは限らないということが分かってきています。

「個人のキャリアの8割は、予想しない偶発的なことによって決定される」
これは、「計画的偶発性理論/計画された偶発性理論(Planned Happenstance Theory by John Krumboltz, Stanford Univ. )」という理論で、その偶然を計画的に活用して柔軟に自分のキャリアを良いものにしていこうというものです。

現在のキャリアから自分のこれまでを考えると、今の自分になるために何か意図的に積み上げてきたかと言われれば、必ずしもそうではなかったことは明らかです。その時々の出会いや出来事、これら偶然なのか必然なのかもよくわからずにとにかくやってみたというのが現実です。しかし、結果的にそのどれもが今の自分のキャリア形成のための血となり肉となっていたように感じます。ただ、それでもハイレベルな方向性、「ありたい姿(だったらいいなレベル)」だけは10年スパンで漠然とした形で考えていました。

20代前半:英語を使って仕事をしたい!
(ん?経理の仕事が本当に自分のやりたいことなのか?モヤモヤ)
20代半ば:英語に磨きを掛けてアメリカで生活をしてみたい!
30代前半:これからの10年間は全て勉強だと思って吸収しまくるぞ!
30代半ば:次の10年で経営に携わるポジションで頑張りたい!

せいぜいこんな程度でした…。

大学時代に会計が好きだったわけでもないのに先生の人柄が気に入って入った「会計のゼミ」にいたことから「経理部に配属」になり、また、「英語を使って仕事をしたい!」「アメリカで生活をしてみたい!」と言っていたらアメリカにトレーニーとして派遣されることになったり、単なる新しもの好きから「IT」にも興味を持っていたら、「会計システム」担当にアサインされ、その後、「経営に携わるポジションで頑張りたい!」と思っていたら社長のアシスタントとして日々経営に携わることになる。そのような経過を辿り、結果、現在は会計システムだけではなく、経営的視点を必要とするもっと広い範囲の業務プロセスとシステム基盤を担当し、日米間の架け橋として英語を使わないと仕事にならないポジションについている…といった感じで今に至っているのです。
振り返ってみても、その時には偶然としか思っていなかったものも、今となっては必然なのかとも思ってしまいます。

これまでの環境下においては、割と将来の見通しが立てやすく、そういう意味ではキャリア形成に関しても意図的に積み上げるアプローチでも問題は無かったかもしれません。その中においても自分は、そのようなアプローチを取ることなく、「計画的偶発性理論」のごとく過ごしてきたと言えましょう。

ご存じのように今までにはない新たなビジネスモデルが台頭しているビジネスシーンだけでなく、コロナ禍に代表されるように自分たちではコントロール不可能な因子の多い現代、つまり、「VUCAの時代」においては、以前にも増して「昨日の正解が必ずしも今日の正解ではない」、いや「朝令暮改」のスピード感で柔軟な対応が求められていると言っても過言ではないかもしれません。

このような環境下を前提としたここでのポイントは、現環境を前提として意図的に物事を積み上げるよりも、目の前の物事に次のような気持ち・姿勢で取り組むことだと言えます。
・好奇心:絶えず新しい学習の機会を模索し続ける
・持続性:失敗をしても屈せず努力し続ける
・楽観性:思考は必ず具現化する、可能になるとポジティブに考える
・柔軟性:こだわりを吸うて、柔軟に物事に取り組む
・冒険心:結果が不確実でもやってみる、リスクを取って行動すること


考えてみると自分はこれらの姿勢を忘れていなかった様に感じます。また、日々の生活の中で、人との「縁」や「出会い」を大切にするということを実践して来ており、その「縁」や「出会い」が、また新たな「縁」や「出会い」をもたらしてくれるという非常に多くの経験をしてきています。
「人は出会うべくして出会っている」、つまり、すべての偶然は実は必然であるということです。もしかするとこれが「計画された偶発性理論」の本質なのかもしれないですね。

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