見出し画像

「海苔と卵と朝めし」 by 向田邦子

上の写真には帯はついていないが、自分が買った本には帯がついていて、そこには、「日本経済新聞 NIKKEIプラス1 何でもランキング/ 食のエッセー、名文を味わう本 第1位」と書いている。そうこの日経新聞の記事を見て、この本を買った。

作者は、1981年に台湾での飛行機事故で亡くなられているので、ここに収められているエッセイも全て40年より以前のものということになる。

食のエッセイ傑作選という副題がついているが、必ずしも食べ物の話が中心というより、その食べ物をきっかけにして作者の世の中に対する見方や人生への係わり方を書いているので、しっかり腹に応える内容だった。

作者の幼い時の思い出は、大戦前か戦時中ということもあり、少し読んでいてしんみりしてしまったが、そういう時代にあっても食べ物の記憶があるのだなあ?と思った。

自分は小学校時代、家でどういう食事をしていたかほとんど記憶がない。唯一覚えているのは、父親が内臓が弱く入院を繰り返していたが、その退院後医者の助言でステーキが良いということで、以前より少し頻繁に薄いステーキが食卓に出ていたという記憶があるぐらいだ(あれは何の効果が期待されたのだろう)。

この本の中で、自分が食べても良し、お土産にもっていっても良し、として推薦しているのが2つあって、一つは「吉野拾遺」という吉野葛で、私の家内の母親が吉野の出身なので家内も知っていた。もう一つが、北九州小倉の「鶯宿梅」という梅の佃煮みたいなものである。

葛湯はあまり興味ないが、「鶯宿梅」は食べてみたい気がする。ネットで調べると今でも買えるみたい。買ってみようかなあ?この小さい壺も趣を感じる。

評価は、5/5でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?