小説「インポテンツ・ベイビー」#1

「ぷしゅ~!」

意味のない、あるとすれば屁に酷似しているだけ、そんな音が口から漏れてしまった。目の前にはダイニングチェアに座った妻。テーブルに右肘をつき、手のひらに顎をちょんと載せる、お得意の姿勢で僕を見つめるその目は何かに似ていた。かすかな殺気をはらんでいて、思わず息を飲んでしまう。

『宇宙戦艦ヤマト』のデスラーの目。

妻の目はデスラー総統のような目であった。それから僕は、デスラー総統がし

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向田邦子さんの、「思い出トランプ」の朗読を聴いてみた。
最近音声動画等あるので、逆に新鮮でした。
「阿修羅のごとく」何度観ても、面白いです。向田邦子さんは中学生のころから読んでいましたが、ホラーや最後のどんでん返しが絶妙で、現代でもリメイクされてます。

嬉しいです!💛💛

終戦記念日の新聞を読む2019(5)「虫の目」と子ども

▼今号は、2019年8月15日付の各紙コラムから、三つの「虫の目」を紹介したい。

一つめは、父親が娘を見つめる「虫の目」。あとの二つは、子どもをめぐる「虫の目」。どちらの「虫の目」も、戦争というものの実像に正確にピントを絞(しぼ)り得ている。

▼まず、2019年8月15日付の新潟日報「日報抄」から。

〈向田邦子の小説「あ・うん」は、2人の男の友情を軸に周囲の人々の心模様を描く。日中戦争の発端

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私の、私だけの。

今、いろいろなものを断捨離ではないが、整理をしている。
元々整理整頓はできる人だったので、みえる場所は整理している。
引き出しの中は “私だけの” 世界だから、それなりに、なおざりに。

ただ、増えていくものがある。
それは、本。
中でも、向田邦子さんの本は増える一方。

去年秋に初めて読んで以来、先日まで21冊持っていた。
ご命日の前日と当日にあわせて5冊買ったので、26冊持っている。
実際は2

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素敵な1日をお過ごしください☆
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浮かれ雲☁️~屋久島ただいま号~

3月14日(木)【帰還、またの名を"脱走"】
  飛行機に乗る前は、いつも死ぬことを考える。空港に向かう何時間も前から、鏡に映る自分はどこか神妙な顔つきになっている。体の動きが、水の中にいるように緩慢になり、ものを咀嚼するにも草食動物のごとき鈍重さだ。
 屋久島に渡る前日に泊まった「イルカゲストハウス」の近くにある天文館で、向田邦子は幼少期の2年間を過ごす。彼女は取材のために台湾の地へ飛び、飛行機

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読んでいただき、ありがとうございます🍀
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かみさまとの対面 -『字のないはがき』刊行記念イベントに参加しました。

23年生きてきて、多大な影響を受けた人物が二人いる。

ひとりは、これまでのエッセイでもさんざ愛を語ってきた、歌手・aiko(渾身のライブレポ・厳選バラード集参照)。
そしてもうひとりは、作家の角田光代さんである。

改めて説明するまでもないが、角田さんは直木賞をはじめ数々の文学賞を受賞されており、文学界に広くその名を知らしめている大作家だ。

彼女の作品をはじめて読んだのは、一体いつのこと

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本にまつわる最近のこと

最近夢中になって見ているのはNetflixの「YOU」というドラマです。
ゴシップガールのダンが主役のお兄さんだよ。
もうあと最終話の10話しか残ってないので見終わるのが少し寂しい。
主人公のジョーは書店の店長。書店ってのがなんだか良い。
おしゃべりが上手というか、なんだかロマンチックで。😩
ストーカーなんだけど、、。ね。
終わってしまうと思うと寂しいけど、今日は最終話を、大切に見よう、、、。

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嬉しい!ありがとう!
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気になる本~向田邦子さんのエッセイと、平野啓一郎さんの『マチネの終わりに』と

向田邦子さんのエッセイ(確か、『父の詫び状』に入っていたと思う)に、こんな話があった。

 向田さんが幼い頃、何かの記念で写真を撮ることになった時、横に紙幣が落ちているのに気づいてしまった。

 拾いたいが、動いてはいけない。この時代は、すました顔で写っていなければならない。だが、どうしても気になって仕方ない。

 結果、大人になってからその写真を見直すと、一応正面は向いているけれど、眼はひたすら

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スキ、ありがとうございます
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テレビの見る夢 大テレビドラマ博覧会

テレビ創世期から現在にいたるまで、テレビドラマの歴史を振り返った企画展。和田勉、今野勉といった演出家をはじめ、坂元裕二、宮藤官九郎といった脚本家に焦点を当てながら、台本、スチール写真、衣裳、そして映像などの資料を展示した。同時期に同会場で「山田太一展」もあわせて開催された。

もとより、テレビドラマというジャンルを総覧した本展の意義が大きいことは疑いない。「放送」という言葉に端的に示されているよう

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向田邦子は鎹か

今、向田邦子を読んでいる。

岩波現代文庫から出ている『向田邦子シナリオ集Ⅴ 寺内貫太郎一家』だ。

言わずと知れた昭和の名作ドラマであり、向田邦子の代表作ともいえるほどの高視聴率を叩きだした作品だ。

舞台は谷中にある寺内石材店。大黒柱の貫太郎(小林亜星)とその母親のきん(のちの樹木希林である悠木千帆)、貫太郎の妻・里子(加藤治子)、長女・静江(梶芽衣子)、長男で弟の周平(西城秀樹)の五人家族。

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ありがとうございます。これからもがんばります!
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