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この世には、花が咲いている。

桜と共に、花が一斉に咲き始めて、もう5月みたいだ。

花は音楽みたいだな。季節になると必ず出現する宿根草や木々は特に。
ああもう1年か。。的な気持ちになる。

白い桜草を見た。
毎年咲いている。
昨年見ていたときの私。
今年またそれを見ている私。
来年も見るだろうか。

音楽みたいだと感じるのは、
花を見ていた毎年の春を思い出すからで、1年草の場合はそれは無い。

変わらずに咲く約束が、宿根草や木にはある。


花もアップデートされている。
私もアップデートしている。
私は過去を振り向くのは好きじゃない。

なのに、
不意に街角から流れてくる懐かしいメロディから過去が蘇るみたいに、
ふと目をやると
何年も同じ場所に咲いている、白い桜草に、昨年、一昨年、その前、何年も前、の、自分の歴史を辿る。

黄昏る訳でも無く、
ただ、変化していく現実と、
変わらずに咲く花に、なんとも言えない気持ちになる。

こんな遠い時間の所に来てしまった。
何となく、寂しいな。って思う。

昔、居た人が、もうこの世に居なかったり、
あの頃、親しかった人と離れたり。

生きるという新陳代謝。

生まれて育って大人になって、
若さを生きて、
ゆっくり変化していく。

有機物である身体には時間制限がある。
誰もが平等に、年老いて朽ち果てていく。(プロセスは皆違う。)

刹那。

それでも、
花は、花は、花は咲くんだ。

空き地に咲いていた胡瓜草の青が、魂は永遠だよと話しかけてくる。

花は魂に近い。
花の魂は、私たちの魂を震わせ、本来ある姿を思い出させてくれる。

私が、フラワーエッセンスに惹かれ続け、一生のものとして思う源はここにあるように思う。

明日も良い日に。




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