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社会学、政治哲学、心理学あたりに興味がある会社員。データが好き。noteは読書ノートと…

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社会学、政治哲学、心理学あたりに興味がある会社員。データが好き。noteは読書ノートとして使う予定。

最近の記事

「女性活躍推進法」施行以降、女性の正規雇用は高いペースで拡大。ただし…

「労働統計を見れば正規雇用はほぼ横ばいのまま」なのか?雑誌『世界』3号上の『安倍政治の罪と罰』という論考で、上野千鶴子が「(女性活躍推進法について論じる文脈で)労働統計を見れば正規雇用はほぼ横ばいのまま、増えたのはもっぱら非正規雇用である。」と書いていた。しっかり数字を見ている人が「横ばい」、「もっぱら」などという定性的な言葉を使うものだろうか、という疑いもありデータを見てみたので、まとめてみる。 労働統計のデータをもとに検証してみる使用したデータは、e-statの労働力調

    • 【ドラマ感想】インフルエンス

      ネトフリで『インフルエンス』というドラマをみたので軽く感想。 陰湿で、軽いものとして描かれがちな女同士の友情を、強く揺るぎないものとして描き出した佳作。理屈や私利私欲のためではなく、ただ仲間のために行動する姿に胸打たれる。 一方で、プロットに強引な部分が多いのは欠点。いくらなんでも彼女たち、不運過ぎるでしょう…。特に後半はその展開必要か?と思わされる部分がいくつかあった。 とはいえ根っこで描こうとしているテーマや登場人物たちの関係性が魅力的で、総じて良い作品だった。

      • 『不適切にも程がある』という昭和的価値観のプロパガンダ(3話までの感想)

        ネットフリックスが配信が始まった『不適切にも程がある』について、3話まで視聴していろいろ思うところがあったので、まとめてみる。 どんな作品か中学校の教師である主人公が、ある日突然30年後の未来にタイムスリップする方法を見つけてしまう。この主人公が、30年後の社会でパワハラ問題に首を突っ込んでみたり、意中の人に出会ったり、企業で働くことになったりしつつ、30年後の社会について「物申していく」作品だ。 まあ主人公の娘やその娘に恋をしてしまった令和時代から来た青年、その母親(フ

        • 【読書ノート】日本において民主主義は可能かー丸山眞男セレクション

          丸山眞男セレクションを読んだ。 日本の戦後を代表する政治思想家、丸山眞男の文章をまとめたもの。文庫ではあるがそれぞれの文章でテーマも異なり内容も難しい。 全体として、日本社会・組織の本質とそのあるべき姿を徹底して考えた人、という印象を受けた。特に一貫したテーマとしては以下の三つがあると読んだ。現代日本の組織・社会・政治状況においても残念ながら通底する課題だ。とはいえ、こうしたテーマが現代においても課題であるということは、丸山という思想家の分析や提言がアクチュアリティを持つ

        「女性活躍推進法」施行以降、女性の正規雇用は高いペースで拡大。ただし…