新潟戦~アディショナルタイムに追いつかれ引き分け

2024年5月3日 アルビレックス新潟 vs サンフレッチェ広島 デンカビッグスワンスタジアム


 ゴールデンウィーク。Jリーグにとっても掻き入れどきであるがおあつらえ向きに快晴の空模様だった。ただそれでも怪我人の多さに一点の憂いを感じてしまう。一人復帰すれば一人怪我をする。直近では絶対的スコアラーの大橋の離脱がアナウンスされた。唯一点を決めれる選手が不在の中、今度こそは勝ち切りたいと切迫した想いに駆られるのだった。

 そしてスタメンの発表。荒木が復帰してCBに入り中野が右WB、越道が左WBという初めてのフォーメーション。越道に左ができるのかという不安はあったものの攻撃は左の方が機能するのだった。ビルドアップでは右と同様な流動性を見せカットインしてからのクロスはゴール前にスワーブの掛かったボールを上げピエロスに当てる。ただ、この時のピエロスのヘディングがことごとく枠に入らない。ああ、やっぱりピエロスではシュートを決めることはできないのか。

 そんな嘆きをしながらも右の中野も黙ってはなかった。中盤でのボールカットからカウンター。右サイドに出たボールに中野が走る。そして縦へと抜け出そうとした時スライディングで脚を狩られる。うずくまる中野。このプレーにイエローカード。が、VARが入りチェックが入るとカードの訂正、レッドカードが掲げられた。足裏でアタックしたことが危険プレートとみなされたのだった。

 新潟の退場により1人の数的有利。時間的にいってもアドバンテージが大きい。FKをセットする満田。ここで決めたら大きい。が、決まらない。セットプレーで決められないのはいつもと同じだった。

 ここからサンフレッチェのボール保持の時間が続く。サイドに出し前を閉じられるとバックパスから中盤を経由してサイドチェンジ。そして逆サイドで同じ動きを繰り返す。ショートパスで釣り出そうとはするものの相手の守備ブロックは崩れることはない。ボールだけが延々と回る。回るだけで有効な手立てがない。そんな様子にもどかしさを感じる。一人多いにも関わらず畳み掛けるような猛攻がない。サイドからクロスを入れては弾き返される。ショートパスでの動きは読まれてる。ダイナミックさがない。綺麗に綺麗に崩し切ろうとしてやることを全て読まれてるようだった。

 その硬直状態の打開の為に後半、マルコスを投入。代わるのは越道。少し勿体無い気もしたが違いをつくれる存在は必要だった。スルーパスに反応して裏に出たマルコス。ゴールライン際での折り返し。がこれもピエロス決めれない。ただここまで抉ったのは初めて。間違いなくマルコスによってペースが変わった。

 ゴール前へのクロスは弾き返されるもセカンドボールは拾える。それにより2次攻撃、3次攻撃へと繋がる。だがもはや普通に攻めてもブロックは崩れない。そこで左斜め45度から満田がミドルシュートを飛ばす。GKの反応で止められたもののCKを得た。やはり打てば何かが起こる。

 左のコーナーに東がセット。左足でのキックでアウトスイングのボールが飛ぶ。ゴール前密集地から荒木が飛びミート。ガツンと当たったボールはゴールに叩き込まれたのだった。

 決まった、決まった、決まった。リハビリにより欠場が続いた荒木が復帰早々に決めた。今まで競り勝つことはできるが枠に入れることができなかった荒木が決めたのはこの欠場も無駄ではなかったような気がするのだった。

 これで相手は一人少ないけど前掛かりになる。そうなればより隙が出てくる。ただ、思った程新潟は前から来ない。こうなるとどう時間をやり過ごすか迷う。追加点を狙うも有効なシーンがつくれない。時間と共に中野を下げピエロスを下げて新井、志知を入れていく。フレッシュな選手の投入で活性化されるはずだが徐々に前への推進力を失っていくとむしろ新潟の圧力を押し返せないようになってしまった。それでもアディショナルタイムに入りあと少しやり過ごせばいい。だが守りの徹するべき時間で満田は中途半端な浮き球パスを出すと簡単にクリアされそれがカウンターの起点になる。左サイドに出されたことで志知が遅れてプレスに行くも倒れてしまうとフリーで縦を抉られる。佐々木がカバーに入るもゴール前へクロス。かろうじて塩谷がクリアもボールは真正面。そこに走り込んできた高木がダイレクトシュート。地を這うシュートに誰も触ることすらできずゴールに叩き込まれてしまったのだった。

 同点。今日こそは勝てると思った。あと2分。あと2分堪えることができなかった。一人少ない相手に対して最後の最後にやられてしまう。これはさすがにこたえた。攻めるのか守るのかの意思統一もなくまるでわざわざ引き分けにさせてしまったような展開に放心状態になってしまうのだった。

 4試合連続引き分け。本当に勝つ気があるのだろうか。大橋がいないと点が取れないことを考えると妥当な結果だったのかもしれない。だけど先制してたのに勝てないとおうのはどういうことなんだろう。それは交代で出た新井、志知がギアアップできないことも大きい。特に志知はゲームの流れに入れないとこがあるのが厳しい。

 もはや永遠に勝てないのでは。そう考えざるを得なかった。点が取れない。取っても堪えられない。相手にしてみれば玉砕覚悟で攻めてくれば簡単に崩すことができる。良くて引き分けのチームになってしまったのだった。

 ワンパターンなセットプレーのキック。ゴール前を固めた相手へのミドルシュート。守備に徹する場面での割り切り。改善しようとすれば簡単にできそうなことばかりである。同じことの繰り返し。この流れをどうやったら変えることができるのか。身体にポッカリと穴が空いたような空虚感にさすがに立ち直れそうもないのだった。

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