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アロマセラピーとは?アロマセラピー楽しみ方や注意点を公開します!!

アロマセラピーとは?

 アロマセラピーのアロマとは(芳香・香り)、セラピーとは(療法・治療)を合わせた造語で、日本語では「芳香療法」と訳されます。 

つまり、アロマセラピーとは、植物の香りを使って健康の維持やリラクゼーションに役立てようとするものです。

 お香は和製のアロマセラピー、植物の香りを利用することは、日本でも古い時代からありました。

例えば着物にお香の香りを移してその香りを楽しんだり、武将が土気を鼓舞するため香りを兜に移したというのは、治療法ではありませんが、まさしく香りによって気分を上手にコントロールするというアロマセラピーと共通する使い方です。

精油(エッセンシャルオイル)について


 精油(エッセンシャルオイル)とは、100%純粋な自然のエッセンスで、植物の葉・花・根茎・樹皮・木部・樹脂・果皮・果実・種子など様々な特定の部分から抽出された芳香物質のことで、その種類は約200種類以上ともいわれます。

各植物の抽出する部位にとって様々な香りと機能を持ちます。エッセンシャルオイルはそれぞれの植物から少ししか採れません。

例えば、ラベンダーのエッセンシャルオイルはラベンダー150㎏からほんの1㎏のエッセンシャルオイルしか採れませんし、ローズは1滴のエッセンシャルオイルを採るのに60本ものバラの花が必要です。

そして、すべてのエッセンシャルオイルがその香りの有効成分によって、身体と精神面の両方へと作用していきます。

香りの脳への伝達

 香り(匂い)のもとになっている芳香分子は空気中に揮発し、呼吸の際に空気と共に鼻の穴から鼻腔に入り、鼻腔の上部にある嗅上皮という部分に達します。芳香成分はこの嗅上皮で分泌される粘膜に溶けて、嗅細胞を刺激し興奮させます。

この興奮により電気信号(インパルス)が発生し、インパルスは嗅神経を通り、脳の一部となっている嗅球に入ります。

この嗅球は匂いの情報を大脳皮質の一部に伝え、そこで私達は初めて匂いとして感知します。

 大脳皮質は意識、記憶、感情、感覚、運動など様々な役割を持っています。

そして、大脳皮質は表面を新皮質、深部を旧皮質と呼び、新皮質では言葉や数字の理解、論理的な思考など高度な次元の機能を司っています。

また、旧皮質では生存するため、子孫を残すために必要な本能、つまり食欲、睡眠欲、性欲、快、不快などの情動を司っています。

人間は進化と共に、新皮質が著しく発達し、現代人では新皮質が90%以上を占めています。

このため人間は様々な知識や技術を持ち、情報処理、分析などの作業に優れています。

一方で、本能を司る旧皮質が退化し、片隅に追いやられるような形で人間の脳内に存在しています。人間における旧皮質は大脳辺縁系とも呼ばれています。

 嗅覚の特別な点は、五感の中で唯一この旧皮質(大脳辺縁系)に情報が入ってくるということです。

香りによって、食欲を刺激したり、眠りを誘ったり、すっきりしたり、甘い気分にさせたりするは、嗅覚からの情報が本能を刺激するからです。

 嗅覚の情報が大脳辺縁系に入ると、その情報が隣接する視床下部にも伝わります。

視床下部は自律神経や内分泌系の調節機能を持ち、欲求や感情の中枢でもあります。

そして、入ってきた情報を元にその下の脳下垂体へと指令をだしていきます。

 脳下垂体は、心身の影響を及ぼす様々な神経伝達物質を放出します。

例えば、ラベンダーの香りはセロトニンという神経伝達物質を分泌させます。セロトニンは神経を鎮める物質なので、ラベンダー香りでリラックスできるというのこのメカニズムがあるからなのです。

アロマのやり方と期待される効用

①スプレー
 スプレー式の容器に水・アルコールを入れ、そこに2~3%の希釈でエッセンシャルオイルを加えます。空気の清浄や消臭、気分転換、リラクゼーションなどに使用する。

②吸入法
 洗面器やボウルなどに熱湯をいれ、エッセンシャルを1~2滴入れて蒸気とともに立ち上る芳香を吸入します。口を大きく開けて蒸気を吸い込み、ゆっくり吐くことを繰り返します。     
大きく口呼吸していると疲れてくるので、鼻呼吸にきりかえて切り替えて、芳香成分を鼻から吸い込みます。蒸気が逃げないように、バスタオルを頭からかぶるなど工夫します。花粉症などのアレルギー症状や、のどの痛みや声がすれなどを改善するのに優れています。

③全身浴
 お湯をたっぷりと張った浴槽にエッセンシャルオイルを5~6滴入れて、手でお湯をかき回して、芳香成分を存分に漂わせるようにする。エッセンシャルオイルの成分を全身に取り入れることができるので、入浴による、血行促進や筋肉の緊張をほぐす効果、精神的なリラックス効果などが高められます。

④半身浴
 みぞおちから下半身にかけてお湯につかることを半身浴といいます。
 肩から首までお湯につかる全身浴より心臓への負担が少なく、のぼせや疲労感が少ないというメリットがあります。また、比較的長い時間入浴していられるので、体の内側からじんわり温まりますので、冷え性や低血圧などの改善に効果が高いとされる入浴法です。
 下半身浴は、新陳代謝を高めて老廃物を除去し、高い健康・美容効果も得られるとされています。

⑤手浴
 洗面器やボウルなどに熱めのお湯を入れ、エッセンシャルオイルを1~2滴加えて10分~15分程度、このお湯の中に両手を手首までつけます。指先が冷える人、首が凝っている人、デスクワークのストレス解消したい人におすすめです。手の平をもみほぐすと、より高い効果が期待できます。

⑥足浴
 大きめのバケツなどに、やや熱めのお湯を入れ、エッセンシャルオイルを2~3滴加えます。このお湯の中に足をつけて10分~15分程度暖める方法です。
風邪のときなど、入浴を控えたい場合や、手足の冷えや足のむくみが気になる人、立ち仕事などでの筋肉痛や疲労感を解消したい人によいとされています。

⑦芳香浴
 専用のアロマポットに水またはお湯を入れ、エッセンシャルオイルを1~2滴加えてアロマポットを温め、芳香を部屋全体に立ちのぼらせる方法です。精油は、イライラや興奮を鎮めたい、あるいは集中力や意欲を高めたいなど、気持ちをコントロールする作用のあるものを選びます。空間全体に香りを漂わせることで室内の空気浄化効果や、消臭や虫よけなどの効果も得られます。

⑧湿布
 ボウルに熱湯(または冷水)を注ぎエッセンシャルオイルを1滴加えます。よく混ぜてからボウルの中にタオルを入れ、しっかりと絞って適温か否かを確認し、患部に当てれば、精油を利用した温湿布(または冷湿布)となります。
 温湿布は、肩こり、神経痛、冷え性、肌荒れ、腹痛、腰痛などに効果があり、冷湿布は、のぼせ、虫刺され、打ち身などのほか、日焼け後の肌のほてりのケアに効果があります。

アロマの一般的な注意点


①原液を直接肌につけないこと
 必ず薄めて使用します。誤って原液が直接肌についた場合は、大量の水で洗い流します。

②エッセンシャルオイルを飲用しないこと
 日本では治療目的によるエッセンシャルオイルの内服は認められていません。

③火気に注意すること
 エッセンシャルオイルは引火する可能性があるので、火を使う場所での使用には十分な注意が必要です。

④子供やペットの手の届かない場所に保管すること
 子供やペットの誤飲に注意します。

⑤キャップをしっかり締めて高温多湿を避け、冷暗所(日の当たらないところ)に保管すること
 酸化や劣化を防ぎます。

注意を要する状態


①妊娠中の方への使用
 妊娠中の敏感な体調を考え、芳香浴法以外のアロマセラピーを実施する場合には十分な注意が必要です。

②乳幼児や老人の方への使用
 子供は臓器も未発達で抵抗力が弱く、体重も少ないため、大人に比べエッセンシャルオイルの影響を受けやすくなっています。3歳未満の乳幼児には、芳香浴法以外はあまりお勧めしません。また、3歳以上の子供でも、体重を考慮して大人より少ない量で使うようにします。例えば、大人の体重を50㎏として、25㎏の子供は大人の使用量の2分の1を超えないようにします。

③てんかん、喘息、糖尿病、腎臓病、高血圧、心臓疾患、免疫障害を持つ方
 エッセンシャルオイルには、昇圧・降圧作用・強壮・鎮静作用など様々な作用を持つものが多く、これら疾患を抱えている方にアロマセラピーを施す場合は、医師の許可が必要になります。

④光毒性に注意すること
 エッセンシャルオイルに含まれている化学成分の一部には、皮膚に塗布すると紫外線に反応し、皮膚に炎症を起こしたり、シミを作ったりするものがあります、これを光毒性といいます。柑橘系の精油全般に含まれていますが、特にベルガモットは含有量が多いため、日中の使用には充分配慮が必要です。

アロマの楽しみ方


1つのエッセンシャルオイルだけを使用して、そのエッセンシャルオイルの持つ本来の香りを楽しむ方法もありますし、好みや体調に合わせていくつか精油をブレンドして使用する方法もあります。

2種類以上の精油をブレンドすることによって、それぞれの性質を高めあって効果がひろがります。


 東洋の美女を代表する中国の楊貴妃は、香り豊かな草花をお風呂に浮かべて入浴するのを好んだといいます。

このように、歴史上の美女が上手に活用した植物のパワーを現代女性もアロマセラピーを取り入れてみてもいいにではないでしょうか。






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