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プロボノについて、のこと。

2019年の秋口から半年間、「東北プロボノプロジェクト(PJ)」を通じて仙台の企業さまに対してプロボノでご支援させていただいた。プロボノという活動自体は以前より知っていたが、今回、初体験となった。プロボノ活動で感じたことをざっくばらんに伝えたいと思う。
因みに私の本職は会社員。人材育成企業でビジネス領域のコンサルや研修開発、講師をしている。

・なぜ東北プロボノPJに参加したのか

正直なところ、プロボノやりたい!東北行きたい!みたいな強い意思や明確な理由があったわけではない。ここ1〜2年くらい、副業(複業)への関心、地域活性化や地域貢献への興味、自分の職業的価値(経験、知識、スキル)が世の中でどのくらい通用するのだろうかという疑問・不安、等々がぼんやりとあって、つまりは自身のキャリア課題なのだが、そんな時にふと足を運んだのが、「東北プロボノプロジェクト」のイベントだった。そして数あるプロジェクトで支援企業さまにジョインさせていただいたのは、社長が私の父親と同じ高校出身かつ、私の出身地の大学に通われていて親近感を覚えたという、そんなきっかけである。もちろん、支援企業さまの事業に惹かれたこと、課題の一つに人材育成があったことなど、色んなタイミングとご縁が重なった。

・職業的価値について思うこと(補足)

ビジネスパーソンは当然ながら所属する企業や組織のミッションに対して、自分の能力を最大限発揮し、成果を得ようと仕事をしているわけだが、それだけでは組織のバリューを超えることは多分なく、また自分の現在地の客観性を担保するわけでもないと思う。終身雇用制度の崩壊、転職や副業などが当たり前になりつつある世の中で、いち企業・組織内でしか通用しない能力、そしてそれを頑に正とする(否が存在しない)考え方や風潮ってどうなのよ、という疑問は日々大きくなる一方だ。それを周囲に説いていた私(管理職)は、大分奇異の目で見られていたことであろう。

・プロボノPJで最も気をつけたこと

活動中、意識していたことは”配慮”である。必然だったとも言える。PJである以上、共通のゴールにどう到達していくかが目的になるわけだが、プロボノを受ける企業の皆さまはお客様ではないし、PJメンバーは同僚ではない(バックヤードが全く異なる)。その前提でフラットな関係性を維持しながら活動していくわけだが、元々異質な人たち同士で頻繁に会うわけでもなく、普段のコミュニケーションもSlackを使った文字ベースで、深い人間関係を構築しにくい環境にあった。ゆえに丁寧に言葉を選ぶ、分からないことは素直に愚直に質問して確認する、傾聴する、ほどよい距離感を保つ、等々、結局のところは基本動作である。
この配慮ある人間関係構築は、例えば、現地での活動(もちろん懇親会付き!)において、ある種の開放感や探究心から来る強烈な一体感や連帯感を速成するのに奏功したし、お互い配慮があったので、無用な心理的トラブルもなく、気持ち良くPJが進んだと思う。

・プロボノPJが自分にもたらしたもの

「リーダーのワクワク感の創り方」であろう。
社長(=起業家)が抱く夢の根幹は"その人が持つ夢の実現の第一歩を応援すること"。極めてシンプルだが奥深く、また発話や行動の端々から純粋でとことん本気であることが感じられた。もちろん親しみやすい個性もあるのだが、オンライン・オフラインを問わず、社長が創り出す場の空気感は、教育のプロを自負している私にとっても、目から鱗だった。さらにその想いや意気込みは共感を超えて、「この人と、この事業のために何ができるだろうか」というPJ活動のモチベーションに繋がった。加えて実現したいことに関する飽くなき探究心・まずやってみるというスタンスから来る圧倒的な実行力・スピード感は、私の心を揺さぶり続けた。
間違いなく社長は、これらを計画的にやっているわけではない。それこそが最大の学びであり、自身の新たなチャレンジ課題となった。

当初ぼんやりあった自分の職業的価値(経験、知識、スキル)の外部通用度は、解が無い(あるいは無数にある)という解に至った。ただ自身の今後のキャリアには確実にプラスになった。
PJ活動は終了したが、この超魅力的な社長率いる企業を引き続き支援させていただきたい。
もちろん、社長が望むならば、であるが。

支援企業さま

株式会社ミライデザインワークス

「Do It Ourself!」を合言葉に、今までの「全てを専門家に任せる建築」から、みんなで参加し手を動かしながら創る「自発・巻き込み・参加型」の工事スタイルを提案しているミライデザインワークス。本来プロが手がければ効率も良い建築のプロセスを敢えてオープンにし、依頼主や地域の人々、子どもたちを巻き込みながら建築物を通して夢を創り上げるサポートをする、まさにドリームビルダー「夢実現屋」。多くの人の夢を応援してきたミライデザインワークスは、今年度より2名の社員が増え、今後さらに加速していきたいところ。

https://www.mirai-designworks.jp/

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