お茶漬けとケーキとシャンパン
クリスマスに恋人と別れた。
24日も25日も約束をしていたのに、
24日に会ってすぐ
些細なことでケンカをして、
結局別れることになった。
今は何が原因でケンカをしたのかも
思い出せないけれど
当時はとても重要で
とてもしょうもないことだったのだと思う。
今夜も明日も予定がなくなり、
バイトを入れればよかったとか
友達のパーティに参加すればよかったとか
1人寂しくアパートで
やけにうるさい年末特番を見て思った。
*
25日の夜はなぜか友達といた。
お茶漬けバーという渋すぎるチョイスにクリスマスらしさのかけらも感じなかったけれど、
バイト先の先輩が前から行った方がいいよって
おすすめしてた店に初めて入った。
友達がただただ私の話を聞いてくれた。
元彼に腹が立ってきたり、自分が惨めになってきたり、友達が優しかったりで、泣いた。
初めて入った店のカウンターでクリスマスに泣いている哀愁漂う女2人を見て、
マスターがショートケーキをくれた。
近くのおじさまがシャンパンをくれた。
店にいた人みんなで「メリークリスマス!」
と言ってシャンパンを飲んだ。
甘くて苦くてしょっぱい
人生初のシャンパンだった。
お茶漬けとケーキとシャンパン
なんて変な組み合わせ。
だけど
どんなに悲しくても美味しいものは美味しい。
「号泣クリスマス」と名付け寒空の下
友達とわざとゆっくり笑って帰った。
*
あの店はもう閉店してしまったけれど、
同じ場所にできた新しい店にも足繁く通っている。
いつかわたしも後輩に行った方がいいよって
おすすめしよう。
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