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青い器、砂の器

占いや運命学などによると
人それぞれに
ラッキーカラーがあるという。

僕の場合は青なんだそうで。
確かに本能的に好きな色なので
手帳はブルーのゲルインクの
ペンで書くし、万年筆は
ブルーブラックを愛用している。

青は爽やかで清楚な印象、
でも一方で、未熟の象徴として、
「まだまだ青いな」「青二才」
というようにも用いられる。

先週、丹羽宇一郎さんの新刊
「人間の器」(幻冬舎新書)を読んだ。

著者がこれまでの本で
紹介してきた事柄の総集編的であるも、
人の器とは「覚悟」である
との趣旨が心に残った。

僕は、人の器とは寛容さ、忍耐深さ、
己の感情を捨てられる度量、
無念無想出来る気量と思う。

その実、僕には「人の器」は
耳の痛い言葉。
いい歳して反省しきりだから。

先週も、日頃から言葉巧みな部下が、
ある事を意気軒昂に自己主張してきた。

その内容が理に適っていなかったので、
彼の言葉と同じ勢いで強めに
反論していまったのだ。

日頃から、彼の自慢げな言いようが
僕のかんに触っていたのである。
あとのまつり。
この気弱な青い上司は
後のフォローが大切と、
諸々と彼に気をまわす始末。

要は青いのだ。
返す刀で斬り込んでしまった。

大きな器の人なら、
己の感情を捨て、
うまくコントロール出来る。 
松本清張さんには失礼ながら
僕のは、見掛け倒しの砂の器。

「虚心坦懐」「豪放磊落」。
言葉の意味を知ってるだけでは
この青さから脱皮出来ない。

そんなふうに心は
少しだけブルーにしていたこの土日。
でも、それはそれとして、
……やっぱり青が好きである。

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