葉風弥七

日々の暮らしのささやかな幸せに気付くことが信条。永きに亘るビジネスと文筆の生活を経て、…

葉風弥七

日々の暮らしのささやかな幸せに気付くことが信条。永きに亘るビジネスと文筆の生活を経て、言の葉をこよなく愛し、読書、珈琲、映画、音楽、そして手帳などの文具を楽しむ。かけがえのないひととき、ご一緒に。

マガジン

  • 幸せの佇まい

    幸せは常にそばに。ささやかだけど、かけがえのないもの。ありったけの想いを。

  • 手帳の佇まい

    手帳は内面も外見も楽しめる、自分だけの道しるべ。自分探しの旅、終わりなき探究へ。

  • 感謝力

    感謝の気持ちを忘れないよう、何度でも読み返します。

  • その一冊の佇まい

    読書は心の旅路、作者との時空を超えた対話、没頭出来る時間へ。

  • この調べ、ひとひら

    音楽は人生のときどきを記憶し、彩る。

最近の記事

  • 固定された記事

今年もその季節到来。人それぞれ。〜手帳の佇まい(33)

今年も早くもそんな頃合い。 来年用の手帳の支度。 伊東屋さんの第7回「システム手帳サロン」が6日(金)に本店10階で始まった。 毎年顔を出しているが、ここ数年前の僕の関心は新作の付属品(リフィル類等)。 この30数年で20数冊のシステム手帳を買ってきたので、もう本体を新調する必要はない。それより既に我が人生と共に歩いてくれた品々を愛でながら、その本革を熟成させ、つながり(縁)を深めていきたい。 今はfILOFAXのNAPPAを2冊を愛用。 バイブルサイズ(パーソナルスリ

    • その狭き空間の、つかの間の彩り

      村上春樹さんの原作をもとにした 映画「ドライブマイカー」で、 雇い主のクルマの運転を 仕事とする女性が、 中年の舞台演出家の自家用車を 担当することになる。 急発進や急ブレーキのない、 彼女の安定した運転ぶりを 彼は、賞賛する。 乗っていることを忘れてしまう程、 君は運転が上手いと、 寡黙で笑顔ひとつない彼が言うのだ。 彼は最愛の妻を失い、 ある疑惑と雑念を引きずったまま、 時を過ごしてきた。 彼女は23歳、重い過去を背負い 運転の仕事で黙々と生きてきた。 車中での二

      • 靴。

        一昨日の金曜、 僕は左右異なる靴を履いて 会社に行った。 勿論、意図したわけではない。 早朝玄関できちんと靴を見ずに 出掛けたからだ。 30数年の会社員人生で 初めてのこと。 Clarksのビジネス靴を2足もっており 両方共に黒で細型の形状、 履き心地もよく似ているが 一つはストレートチップ、 もうひとつはプレイントゥ。 東京オフィスの最寄りの駅に 京浜東北線が到着する間際、 どこかぎこちなさを覚え、 気付いたのだった。 赤面した。 何故、間違えたのか。 早朝で慌て

        • 辿り着いたのは。〜手帳の佇まい(37)

          人は生涯、平均して何本の ボールペンを所有するのだろう。 何本のペンを使い果たす、使い切るのか。 職業人になって30数年、 僕は何本のペンを使って来たのか、 いや、お世話になってきたのか と考える。 思えば、スマホのメモアプリを使うようになってから、紙にペンを走らせる行為がめっきり減った。とはいえ、大切な人への手紙、自分の思考や感情を整理したいとき、これは貴重だと思える言葉に出くわしたときは、万年筆を握る。また、システム手帳のスケジュール欄の記入には、ボールペンを手にする

        • 固定された記事

        今年もその季節到来。人それぞれ。〜手帳の佇まい(33)

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        • 幸せの佇まい
          112本
        • 手帳の佇まい
          44本
        • 感謝力
          19本
        • その一冊の佇まい
          36本
        • この調べ、ひとひら
          37本
        • 一杯の珈琲の佇まい
          11本

        記事

          本当に大切なことが残る。〜手帳の佇まい(36)

          数年前から、ある業界新聞2社の 連載コラムに寄稿している。 ともに長年お世話になっている 編集者からの頼まれ事だ。 1社は毎月、もう1社は四半期ごと。 ともにどんなテーマで書くかは自由、 かつ、ペンネームでの執筆。 とはいえ浅学非才ゆえ 枯渇しそうな知恵を絞り、悶絶しながら 何とか続けている。 そんな中で、 つくづく実感するのは、 文章作りとは、 決められた文字数内に 如何に収めるかの、 文字削りと磨き上げの作業だと。 例えば文字枠が560文字の場合、 だいたい650文

          本当に大切なことが残る。〜手帳の佇まい(36)

          没頭するということ。

          「きっと疲れが溜っているのですよ」 と言われても、 僕には全く自覚がないのであった。 2週間前、背中の肩甲骨の右側に痛みあり。その後、かゆみに変わり、鏡を見ると、 赤い発疹が数個、横一列に生じていた。 皮膚科に行くと帯状疱疹だと言う。 ドクターは「この原因はストレス」だと。 飲み薬を処方して頂いた。 会社の産業医に報告したところ 「疲れが溜っているのですよ」と即断された。 ストレス、疲れ。 自分では自覚がない。 重労働が続いたわけでもなく、 睡眠は、質はともかく、 時間

          没頭するということ。

          本当の強さ。

          勝負を挑んでくる者達へ、 彼は穏やかに言う 「勝ち負けは本当に必要だろうか」。 そして闘いの結果、彼は勝つ。 というより負けないのだ。 中国武術のひとつ詠春拳。 1930年代〜60年代に その普及に尽力した伝説の達人がいる。 大師匠と呼ばれた男、葉問(イップマン)。 カンフー映画の大スター、 ブルース・リーの唯一の師匠だ。 そのイップマンを描いた映画 「イップマン3〜継承」を 去年12月にBS放送で観て以来、 僕は完全にハマっている。 昨年末には「イップマン1序章」か

          本当の強さ。

          「理屈じゃ、ねえんだよ」

          「理屈じゃ、ねえんだよ」 と、立川志の輔さんが決め台詞。 龍角散ダイレクトのCMだ。 渋みある声に滋味あり。 僕のオフィスが入るビル、 そのエントランスフロアのコンビニに とりわけ腕利きの店員さんがいる。 そのお店で珈琲を注文すると、 カウンター内で店員さんが 操作して淹れてくれる。 その店員さんは、珈琲を頻繁に注文する顧客を把握しており、そのお客さんの来店に気付くと瞬時に珈琲サーバーにカップをセットする。そして、想定通りお客さんが注文すると、空かさずスイッチをオンにす

          「理屈じゃ、ねえんだよ」

          道程の点描

          僕が後輩に捧げた詩です。 自分への呟きでもあります。 今日もお読みくださり、 ありがとうございました!!

          道程の点描

          沼からの脱出法

          今週木曜の夜、同世代の御仁との一席。 かれこれ20年お世話になっている方で、 二人して山形の料理と美酒を堪能した。 酔が進むと彼は少し困っていると打ち明けてきた。 彼が最近50歳代の部下Aさん(女性)と定期面談をしたときのこと。 Aさんは同じ部署の50代女性Bさんの言動が間違っていると主張してきた。 Bさんのやること成すこと、一挙手一投足が気にいらない。Bさんの声が大き過ぎる、男性社員にしか挨拶をしない、Bさんが突如休んだ日の穴を別の人が埋めた(肩代わりした)のに翌日お礼

          沼からの脱出法

          凛として潤い。

          60歳を超えているだろうか、 いや年齢は関係ない。 彼女は細身で白髪混じりのショートカット、マフラーを首輪のように巻いている。 読書に没頭しており、ページへの眼光は鋭く、文意の思案ごと口元の表情が小刻みに動く。 今週火曜の帰路の電車で、僕の斜め前に座っていたご婦人のことだ。 僕は凝視していたわけではない。 それをすれば失礼だ。でも気になった。 彼女の何かが、僕の気を引っ張る。 背筋を伸ばし 読書に夢中になる彼女の姿は凛。 どこか頼もしい、 というより逞しい。 更には

          凛として潤い。

          次へ。そして次へ。

          空が低い。 土曜朝にスーパーの屋上から見上げれば、凍てつく1月の天空は白で染められている。 まだらに混ざるグレーが冴え冷え感を深くして、空さえもどこか冬眠している気配。 深呼吸ひとつ、 静かな芽吹きの待ち人となる。 年明けからの震災や事故。 長引く避難を思い、 ペンを持つ気力を失ってしまっていた。 この青白き空を見上げていると、 今を超えれば梅が香り、桜前線が北上し、 澄み切った青空が蘇る。そんな気が芽生える。 生きている限り、次がある。 そう、誰にでも「次」がある。

          次へ。そして次へ。

          浪漫。熱き旅路

          日本漢字能力検定協会が先日、 2023年の漢字は「税」と発表。 世の中の出来事、世相からの一字を 一般公募した結果です。 一方で、人それぞれにも今年の漢字があります。この一年を振り返ると、悲喜こもごも、百人百様の一字が。 今年10月8日、歌手の谷村新司さんが逝去。 ファン歴40年以上の僕には痛烈なショック、大きな悲報でした。 谷村さんは「生かされていること…それが旅」と仰っていました。この年の瀬、何故か谷村さんの「浪漫鉄道〈途上篇〉」という楽曲が胸をよぎります。穏やかで

          浪漫。熱き旅路

          12月の余白。年末から年始へ〜手帳の佇まい(35)

          あと2週間余りで今年が終わる。 手帳の2023年の週間スケジュール欄も僅か。 システム手帳のリフィルでは、 2024年版の週間スケジュールに 2023年12月分もついている場合がある。 要は年末年始同じフォーマットを使えるという配慮からだ。  また、2024年版の綴じ手帳も同様で、スケジュールページの先頭は2023年12月の1ヶ月か後半である場合が多いようだ。 毎年同じ手帳を使う場合、 このおまけのような、今年12月分は不要。 一方で、来年から手帳を新調したい人には有

          12月の余白。年末から年始へ〜手帳の佇まい(35)

          別れた理由。煙草のけむりの先

          毎年寒くなると煙草を喫んでいた時分を思い出す。 煙草をやめてから十数年以上が経つ。あの頃、オフィス内に煙草部屋があって、気分転換に、或いは原稿を持って赴いたもの。銘柄はラッキーストライク、Peaceマイルド。 今でも何かを飲んだり食べたりしたとき、これはあのときの煙草のフレーバーと似ていると思う。あの香ばしさが懐かしく蘇る。喫煙者だったからこそ味わえる感覚。 では何故やめたのか。 それを思い出せないときがある。 まるで遠い昔、彼女と何故別れたのか 今でもよくわからないの

          別れた理由。煙草のけむりの先

          暮らしのなかで、一瞬ごと。

          僕は、2020年のアニメ映画「ソウルフル・ワールド」を鑑賞後、傷心を負った若い頃に僕が作ったこの文章を思い出したのでした。 この映画のBlu-rayを買ったきっかけを思い出せないのです。本かネットで推薦されていたのか。僕はジャズ好きなので、その方面の人から教えて頂いたか。 いずれにしてもいい歳したおじさんである僕が、この作品とのご縁を頂き、大感謝、歓喜なのです。   舞台は米国ニューヨーク、ジャズの街。 非正規雇用の音楽教師ジョーは、ある日、校長から、正規採用が決まったと

          暮らしのなかで、一瞬ごと。