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手に入らなかったサントラ盤のこと(「グッドフェローズ」)

Original Sound Track「Goodfellas」



 実は、意外とギャング映画を好む私…

 数々のギャング映画がある中で、自分の敬愛してやまないマーティン・スコセッシ監督の名作といえば

「グッドフェローズ」1990年公開


 大好きなんですよね〜、この映画

 いずれギャング映画やスコセッシ監督については、あらためて記事にしていきたいと思っているので、あまり細かくは紹介しないのですが、レイ・リオッタ主演に、脇をロバート・デ・ニーロジョー・ペシがかためながら、実在のニューヨーク・マフィアを描いた作品なんです。

 ただ、今回は、映画の内容ではなく、この「グッドフェローズ」の音楽について "note" したいと思います。




 この映画は、一人のギャングスタ―を50年代後半から60年代、70年代と追いかけて行くんで、その時々の流行歌がたくさん使われてたりして、実は、音楽だけでも楽しい映画なのです。

 その中で、私にとって、特に印象に残ったピアノ曲があったんです。
 予告編の中でも、2:20頃からタイトルバックで流れてる曲なんですが、本編でも、終盤の印象的な場面や最後のエンドロールで使われていて、メインテーマ的な扱いの曲だったんです。

 そのピアノ曲が、あまりにも耳に残りすぎて、もう一度聴きたくてですね~、タイトルやアーティストも分からなかったので、サントラ盤を探したのですが、当時、見つからなかったんです…

 その後、数年、継続して探したんですが、レコード屋にもレンタルショップでも見当たらなかったんですよね、残念ながら…
 なので、そのピアノ曲は、自分にとって幻の一曲となっていたのです。


 「グッドフェローズ」を好きな方は …もう見当がついてるかもしれませんが、私が探し求めてたそのピアノ曲って、実は、エリック・クラプトンが結成したデレク・アンド・ザ・ドミノスの名曲

『いとしのレイラ』!

 だったんですよね。


 説明は不要かもですが、『いとしのレイラ』といえば、ジャカジャカジャカジャーン♪ と、あの有名なギターリフから始まるボーカルパートの前半部と、ピアノを中心としたインストゥルメンタルパートの後半部で構成された曲なんです。
 「グッドフェローズ」では、そのピアノコーダの部分だけを使用してたというわけなんですよね。

 もちろん、当時の自分だって『いとしのレイラ』の前半部、あのギターリフも、ちゃんと知ってたんですよ!
 でも、ピアノの後半部があることは、その存在自体知らなかった頃でした。
 まあ、長い曲なんで、当時、私の音楽情報源のひとつだったラジオとかだと、後半部はカットされがちだったのかもしれませんね💦


 結局、「グッドフェローズ」のサントラ盤は手に入らないままでしたが、アンプラグドのブームのおかげで、エリック・クラプトンを聴き始めて、探し求めてた曲が『いとしのレイラ』だったことを知るわけなのです。


 まさか、探してたのが『いとしのレイラ』だったなんて……   思いもよらなかったんですよね。
 ですが、あえて、後半部のピアノコーダだけを使うなんて、しかも、あんな殺伐としたシーンで使うなんて、さすがのマーティン・スコセッシだと思ったのでした!


+  +  +  +  +  +


 さて、時は流れて…
 ふとした時に、あの頃に探してた「グッドフェローズ」のサントラ盤って、どんなラインナップだったのかが気になって、ちょっと調べてみたんです。


「グッドフェローズ」サウンドトラックCDの裏面


 あ、あれ?
 12曲しか収録されてませんね。

 映画を観た人は分かると思うんですが、本編では、もっとたくさんの曲が使われてるんですよね。
 50年代終わりから60年代の時代を映したヒット曲や、私でも知ってたロックの名曲など、スコセッシ監督の趣味で彩られた楽曲の数々!
 それが12曲で収まるわけはありません!

 よく見ると、ローリング・ストーンズやジョージ・ハリスン、ザ・フー、シド・ヴィシャスの「マイウェイ」とかが入ってません💦
….権利の関係なんでしょうね。


 それにしても、12曲ってのは寂しいので、映画での使用曲を調べて、本家のサントラ盤を増量してプレイリストを組んでみました。

(プレイリスト)


【曲目一覧】 ※太字が増量した分です。

1. 「ラグス・トゥ・リッチズ」トニー・ベネット
2. 「シンシアリー」ムーングロウズ
3. 「スピードゥ」ザ・キャディラックス
4. 「スターダスト」ビリーワードと彼のドミノズ
5. 「プレイボーイ」マーヴェレッツ
6. 「ルック・イン・マイ・アイズ」シャンテルズ
7. 「涙の紅バラ」ボビー・ヴィントン
8. 「ライフ・イズ・バット・ア・ドリーム」ハープトーンズ
9. 「Toot、Toot、Tootsie Goodbye」 アル・ジョルソン
10.「He's Sure the Boy I Love」ザ・クリスタルズ
11.「アトランティス」ドノヴァン
12.「リメンバー」シャングリラス
13.「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」アレサ・フランクリン
14.「海の彼方に」ボビー・ダーリン
15.「ギミー・シェルター」ローリングストーンズ
16.「フロスティ・ザ・スノーマン」ザ・ロネッツ
17.「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」クリーム
18.「ジャンプ・イントゥ・ザ・ファイア」ハリー・ニルソン
19.「メモ・フロム・ターナー」ミック・ジャガー
20.「マジック・バス」ザ・フー
21.「美しき人生」ジョージ・ハリスン
22.「マニッシュ・ボーイ」マディ・ウォーターズ
23.「マイウェイ」シド・ヴィシャス
24.「いとしのレイラ」デレク・アンド・ザ・ドミノス

 オリジナルサントラ盤の倍の曲数で構成してみましたが、それでも、実際の映画で使われた曲は40曲以上あったと言われてるので、まだまだだったりするのですが…  まあ、この程度でおさめてます。✋
 一応、同アーティストで複数の曲が登場する場合は、1曲に絞っています。

 正直、50's~60'sのアメリカンポピュラーソングはあまり詳しくなくて、前半は、ほとんど知らないグループばっかりなんですが、一応、スコセッシ監修なんで、きっと好きな方には「おー!」って感じのプレイリストになってんじゃないかなって思います。

 #15のローリング・ストーンズあたりから馴染みのある曲になっていくんですが、通して聴いてると、知らないグループばっかりの前半部分が意外と良いのです。

 トニー・ベネットボビー・ヴィントンのような往年の名シンガーから始まって、ザ・キャディラックスハープトーンズなどのドゥーワップグループ、クリスタルズシャングリラスなどのガールズグループまで、多彩なラインナップは、ほんと楽しくて…

 なんか ”古き良きアメリカ” って感じなんです。


1.「ラグス・トゥ・リッチズ」トニー・ベネット


7. 「涙の紅バラ」ボビー・ヴィントン


8. 「ライフ・イズ・バット・ア・ドリーム」ハープトーンズ


10.「He's Sure the Boy I Love」クリスタルズ


+    +    +

 映画本編では、後半、ちょっと不穏な雰囲気になっていくんです。それに合わせて、サントラ盤の方でも、後半はロックなイメージに変わってくんですよね。


15.「ギミー・シェルター」ローリングストーンズ


17.「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ」クリーム


18.「ジャンプ・イントゥ・ザ・ファイア」ハリー・ニルソン



 そして、エンドロールでは、この曲がかかりましたね、真面目に…


23.「マイウェイ」シド・ヴィシャス


 シド・ヴィシャスの「マイウェイ」の後、最後にもう一度、『いとしのレイラ』のピアノコーダ部分が流れるんです。
 この一連の流れが ”熱い!”んですよね~、妙に感動的なんです。


24.「Layla」(piano exit)





 う~ん。
 やっぱ、音楽の方でも傑作ですよね。

 マーティン・スコセッシ監督の趣向が、隅々まで遺憾なく発揮された映画、それが「グッドフェローズ」だと思うんです。


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