それって「地域の問題」ですか?【解決視点のない朝日新聞の特集記事への違和感】
社会は、常に問題を抱えています。それを告発し、考える材料を提供する役割がメディアにはあります。
なので、↓のような記事は歓迎すべきものだと思っています。
(プレゼント機能をつかっています。5月8日10:10まで記事が読めます)
西部本社(九州)の記者が書いたのでしょうか、「ジェンダー後進地域九州」の面目躍如のような内容でもあります。
このようなドラマのヒールキャラクラスの時代錯誤おじさんは、今の時代なかなか見つからないのも事実ではないかなと思いますので、記事として扱うことに問題はないと思います。
国立大薬学部(おそらく薬学科)は定員が少ないので、男女を問わず仮に浪人しても厳しい戦いになるもの事実。だからそのような発言につながるのは、理解できます。女性云々という発言が蛇足であることは厳然たる事実でしょうが、
九州の公立進学校にありがちな、
・現役合格主義
・国公立大崇拝
の合わせ技のような印象もあります。
ちなみに私の中では、女子はメンタルが弱いという認識はありえず、むしろ男子の方がメンタルの弱さを心配しますけど・・・。
ただ、私が強く感じる根本的な違和感は、問題を「女子の大学進学に理解のない地方(九州)」という論の展開です。
問題はそうではないと私は思います。
(指摘の問題点が無意味であるといっているのではありません)
問題は、大学の学費が高すぎる。それがゆえに大学生は、保護者の経済的な支配下に置かれている。この現状こそが問題であり、その結果、このような問題が生じる素地があるという点をこの記事は触れない。
そのことが一番の違和感です。
朝日に限ったことではないものの、昨今のメディアは、わざと浅い踏み込みのままの記事を作る傾向があり、この記事もその一つでしょう。
問題を認識するのであれば、どうしたら解決するのかを考えることは、当然のことです。
そうすると、一つの方向性は出るでしょう。理想論であってもいいので、そこに目標とすべき到達点があり、それに正当性を感じるなら、
組織の総意としての「結論」は出る。それが主張となり、記事の方向性となることでしょう。
例えば れいわ新選組のように。
ただ、ここまで踏み込と、上の偉い人たちからストップがかかる現実があるんでしょう。
だから、問題を取り上げつつ、解決の方向性は見せない。
その結果、どこか他人事のような、ただ問題点を指摘するだけの記事となる。
昨今の円安の問題も、あたかも自然災害かなような、報じ方をするのも、
誰かから怒られる前に、現場が先回りして解決視点のない記事をつくる。
というレガシーメディアのお仕事作法となってしまう。
短期的にはそれでいいのかもしれませんが、少なくとも長期的にはダメであることは論を待たないでしょう。
それがメディアの役割としては不十分だからです。強者の反発を恐れて、読み手の期待に応える気がないのであれば、その存在を疑われても仕方ないのは当然のことです。
今のメディアは、自滅しているという自覚を持てない限り、衰退局面を脱することはできないでしょう。
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