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九州からデパートが消滅する日【悪化の速度は予想より遥かに速いという厳しい現実】

鹿児島県の老舗デパート、山形屋が私的整理を行うとのことです。
ダイヤモンドオンラインが詳細に報じています。

店を閉じるという話ではないにしても、厳しいニュースだと感じています。

先日、佐賀玉屋、佐世保玉屋のことを記事にしたばかりだったので、驚きを隠せません。

佐賀市と佐世保市は、九州での都市人口ランキングで11位と10位。
この2都市以下でデパートがあるのは、別府市だけのようで、やはり商圏人口が決め手なのだと思います。
今後の展開としては、九州のデパートの存続ラインは、徐々に上がり、存続の条件は人口30万人規模の都市まで上がっていく可能性が高い。
最後は、政令指定都市レベルまで上がることになるのかなとみています。

上記記事より

記事で私が懸念したのは、あまりに単純な商圏人口との相関性が疑われることで、ここまでビジネスが単純化していることは、地方経済の足腰の弱さを証明しているのではと考えていました。

また、商圏人口が佐賀市、佐世保市よりも多い鹿児島市を拠点とする山形屋の経営が苦しいということは、正直なところ想定外のことで、ここまでデパートの経営環境が厳しいのかと震撼しています。

なので、トキハ(大分市)、浜屋(長崎市)もどうなのだろうかと感じざるを得ませんし、場合によっては、政令指定都市の鶴屋(熊本市)、井筒屋(北九州市)も安泰とは言えないのかもしれません。

また、これらのデパートは地元資本で、山形屋の問題でメインバンクの鹿児島銀行が存続に向けて知恵を絞っていますが、

福岡市の3つのデパート、岩田屋(実質は伊勢丹)、博多大丸、博多阪急はいずれも外部資本なので、経営が悪化すれば、現実的には撤退で落着するはずなので、存続ラインは福岡市だからといって低いわけではない。

私が生きている間はデパートという業態は九州にあるだろうと思っていましたが、それも怪しくなってきたと感じています。

インターネットショッピングがあるとか、郊外のモールがあるからよいという考え方もあるかと思います。

ただ、これまでデパートが築いてきた商慣行が通じなくなるのは、それは貧しくなっていることの証明ではと思っています。

食品のスーパーなどよりちょっと贅沢な品揃えであったり、時計やオーダースーツなどの高級品を扱い、それが商売となるのは、人々の生活にゆとりがあるからであって、そのような商売が通じなくなっているのは、私たち庶民の生活が苦しくなっていることが一番の要因だと感じるからです。

地方で起こっていることは、一定のタイムラグを経て、都市でも起こることは間違いないのではと思います。

まだ地方にも多少の余力がありますから、今のうちに消費税減税または廃止であったり、大企業優遇の税制を改めておかないと、庶民の可処分所得をこれらの政策で傷めつけると、足元からこの国の経済が崩れ落ちるかもしれません。

悪化の速度は、想定よりも速い。この山形屋のニュースは、それをしっかり認識させるものであったと感じています。



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