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情報はいつの時代も玉石混交と感じさせる記事について思うこと【それなりのネットメディアであっても、それは同じ】

いろいろ疑問点の多い内容の記事が出ています。

まず、九州においても国公立大至上主義は強い傾向はありますが、高校の先生のリアルとして、私立大を受験する、進路相談をうけることは、日常的でもあります。

徐々に一発勝負になりつつある国公立大の入試の事情もあり、進路選択において私立大は現実的な選択肢であり、記事にあるような国公立大至上主義が理想であっても、現実はそうはいかない事情があります。
なので、あからさまに私立大を蔑む先生はどの程度いるのか懐疑的です。

この記事には、やや情報の入手経路や分析に偏りがあるのかなと感じる点や、事実誤認もあるように思います。
例えば、

大学入学共通テストの点数が良かった場合、国立大学の前期日程だけでなく、後期日程でも受験させ、国立大学合格者数を水増ししようとする

上記記事より

は、水増し目的で後期を受験させることは制度上そのようなことはできません。前期で合格し、入学手続きをすれば後期の合格資格はないからです。前期合格をして、それを辞退すれば可能ですが、後期が第一志望というそんな受験生はいませんし、学校が求めることなどありえません。

また

「早慶よりも地方国立大学のほうが上」だと指導する

上記記事より

偏差値という指標が良くも悪くも確立し、早慶などはむしろブランド力が過大評価されがちなほどなので、いくら何でもこのような価値観を強制は無理ですし、そもそもそのような先生がおられるとはにわかには考えにくいと言えます。

大学を併設している私立の中高一貫校の場合、外部受験(他大学受験)に何らかの制約を設ける

上記記事より

に至っては、最近広まりつつある「系列大スルー」現象もあり、どこまで信用していいのかなとさえ思う内容です。

さらに、決定的に違和感が大きいのは、

私立は国立より下、総合型選抜入試は一般入試より劣る、同じ国立大学でも、旧一期校(旧帝大や一橋大学、神戸大学など)は旧二期校(横浜国立大学や東京外国語大学など)より上、などという「古くさい価値観」がまだ存在していることは、正直なところ驚きでしかない。

上記記事より

です。一期校、二期校制度は、1978年に廃止されており、私もそうですが、どの大学がかつて一期校、二期校だったのか知りません。上の世代の方の話題に出る程度です。
これで受験した最後の世代は1960年生まれ前後になり、お子さんが大学受験というのは超レアケースではないかなと思います。

田舎はいつまでも田舎であってほしいという願望が筆者にあるのかもしれませんが、情報という点では、都会と田舎の差は、大きくはありません。

田舎の学問より京の昼寝という言葉はいつの時代も意味を持つものだと思いますが、昭和の時代ほどの差はないのも事実でしょう。

また、ネット情報とはそもそも玉石混交ではありますが、ちゃんとした出版社のメディアとしては、あまりに情報の精査が雑ではないかなと感じます。

この記事に出ている情報にも正しいものもありますから、一概に言えませんが、もし保護者で気になる、おかしいのでは?と思われる場合は、周囲に確認されることをお勧めします。

高校の先生に対しての不当なバッシングではとも思いますので、ちょっと看過できないなと思っています。



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