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断捨離に出会って13年。今でも断捨離し続ける私にとっての断捨離の魅力


私が断捨離に出会ったのは2010年の年明けのこと。
やましたひでこさんの一冊目、「新・片づけ術 断捨離」の本が発売されてわずか数ヶ月、まだ断捨離ブームが起きる前。

当時の私は、ひとり暮らしを始めて8年くらいが経ち、モノでパンパン、収納はギュウギュウ。
収納しきれず溢れたものがそこここに積み上げられ、片づけだけでなく、人生のいろんなことが憧れた暮らしとはほど遠い、とっ散らかった生活をしていた。

もはや自分の暮らし・人生にほとほと嫌気がさしていて、
どうにかしたいけどどうしたらいいかもわからない…
そんな時に出会ったのが断捨離だった。


自分が沢山の執着で身動きがとれなくなっていること、
抱え込みすぎている私に必要なのは
「足すこと」ではなく「引くこと」だと気づいて、
断捨離を始めた。

とりあえずとってあった書類、
賞味期限が切れた食品や欠けた食器、
あまり着ない服、靴、バッグ、
しまいこまれていた趣味のもの、思い出の品、

手入れされず、ほこりをかぶってただ放置されている
「もったいない」「いつか使うかもしれない」モノたちを手放して、
自分が本当に使っているモノ、大切なモノを残していくと、
家も気持ちもどんどんスッキリしていったし、暮らしやマインドも変わっていった。


13年経った今も、断捨離マインドは私の中から消えることなく、人生にすごく大切な出会いだったんだなと思う。


捨てられない人が捨てているもの

BS朝日の「ウチ、”断捨離”しました!」2月7日放送回がすごかった。
(現在TVerで放送を見られるけど、ちょっと引っかかる部分がある人もいると思うので、万人におすすめするものではない)
夫婦二人暮らしで介護士の妻が寝起きする万年床は、四方を積み上げられたモノに囲まれて、あまつさえ布団の下からは書類や雑誌が出てくる始末。

番組の中でやましたさんが、あまりにも大量のモノに囲まれると「感覚麻痺、思考低下、感性鈍化が起きる」と言っていた。
それにはまったく同感。
あそこまで物量が多い部屋は番組にあまり出てこないようなのだけど、
ああいう家は、実際結構あって、私も片づけサポートにうかがったことがあある。

そして、そうした家の主は、総じて自己肯定感が低く、自分自身を大切にできない人たちが多いと感じている。


あふれるほどの洋服や本は、自分の劣等感を取り繕おうとする気持ちと努力の結果だったりする。
現実から逃避させてくれるからこそ、癒しの推し活が常軌を逸するレベルになる。
過去の栄光やよかった時代にすがりついて、今とのギャップを受け入れられない。
あるいは、理想の自分に執着して、到底実現不可能な現実が見えていない。

来客用の食器やタオルなど、「ちょっといいもの」は人のためで、自分は欠けた食器を使い、散らかった部屋で毎日寝起きする。
自分の気持ちよりも世間体を気にし、自分自身をぞんざいに扱い、平気でないがしろにする。

そうした人が牛乳パックのリサイクルやゴミの分別に妙にこだわるのは、自分も世の中のためになっていると、ささやかに自尊心が満たされるからだと思う。
(ゴミの分別とかのルールを破れない真面目な人が、複雑化するルールにこだわるあまりにゴミ屋敷にしてしまうこともあって、卵が先か鶏が先かなんだけど)

自分を真に大切にするならば、欠けた食器で食事はしないだろう。
ダニやホコリにまみれて体を害する場所に身をおくことをよしとはしないだろう。

私はとっ散らかった家で暮らしていた頃、捨てられない私が捨てていたものは「私自身の快適な暮らし」ひいては「私自身を大切にすること」だったのだと今思う。

来客をもてなすように自分をもてなし、
世間体よりも自分自身の気持ちを大切にし、
自分に快適な環境を用意してあげ、自分自身を労いいたわること。

それができなかった結果が、汚部屋となった。


私にとって断捨離とは

黄ばんでしまっても捨てられないポストカード

このポストカードは、断捨離にハマってしばらくした頃、街でたまたま見つけたもの。
私にとっての手放す理由がすべて、ここにあるような気がしている。

誰かのもの真似や、世間に踊らされるのはもう沢山。
見栄をはって自分を飾り立てたり大きく見せたりはもうしたくない。
その場しのぎで感情を誤魔化すこともう嫌だ。

モノやかたちにこだわるよりも、かたちのないものにこそ心を向けたい。
自分の感覚を研ぎ澄まして、大切なものをもっと深く感じたい、味わいたい。
せかせかと生きるよりも、ゆっくりと、
そして自分に正直に、自分の感性のまま、自分自身を大切に。

それはもはや「生き方」の話。

これだけ長年、断捨離断捨離と言っているくせに、
実は私は断捨離の本はほんの数冊しか読んでいないし、
提唱者のやましたひでこさんも手放しに好きなわけではない。
(上記の番組もそうなんだけど、やましたさんの言葉や動作は個人的にはちょっと引っかかる部分がある)

だから断捨離の正しい定義とあっているかどうかは知らないけど、
断捨離って私にとっては、自分と向き合う、自分をとりもどしていく、自分に還る、自分を研ぎ澄ますってことなんだよね。

だから断捨離はおもしろい。
だからずっと、断捨離している。


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