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心が開くとき

こんにちは😃NPO法人スマイルリングという団体で、児童養護施設出身、少年院出身の青年をサポートする活動をしていて、その中で起こる毎日の物語を書き留めています😊


 ちょうど1年前。

 コロナ騒ぎ真っ盛りに高校を卒業し、ここ十勝帯広市に『ポンッ』という感じで来た…と言うより、“送られてきた”に近いのか…。釧路地方出身の児童養護施設出身の、T君という青年。 


 『何故、釧路の青年がここに⁈』とNPOの代表の堀ちゃんに聞いたら、

 『先生とか殴っちゃって、受け入れ先が見つからないみたいで。“こっちにはそんな子を受け入れるNPOがあるんでしょ⁈”みたいな感じなのかもしれませんね』

 と、少々イラッときているのが伝わった。それも当然で、私も正直少し腹が立った。というのは、

(親も親戚も友達も居ない。来た事も縁もゆかりも無いところへ、大人が決めたところへ来るなんて、T君はどれほど心細いだろう)

 と思ったからだ。堀ちゃんも受け入れるのが嫌な訳ではなくて、そう思っていたのだ。

 住む場所も街の外れのグループホームで、土日には食事が出ないと言う。土地勘も車も持たないT君が、侘しい、寂しい目に会うのは目に見えている。


 しかし、考えようによっては、やっぱりこの子は私たちと縁のある子ということになる。

 私たちのもとへ現れる青年達は、100パーセント何かしらの…結構重い事情を抱えているため、少しぐらいの暴れん坊でも全然それは平気なのだ。

 だから、他所で寂しい思いをするぐらいなら、ここに来てくれて良かったんだ。

 ならばもう、“大切に関わっていこう”と私たちは決めた。それだけだ。


 それからもうすぐ一年が経つ。

 

 当初、しきりに『釧路へ帰りたい』と言っていたT君は、昨日しみじみと語り出した。

 “こんなに安心して話す姿を見るのは初めてだな”というぐらい、ゆっくりゆっくり、子供の頃からの自分のことを話し始め、その時々の自分の気持ちを、丁寧に聴かせてくれた。

 『問題児』として大人から見られている自分が、毎日どう振舞ったらいいのか。T君自身が、物凄く実は『困っていた』ことが伝わってきた。


いろんな問題を起こす子どもや青年に接する大人は大変な思いをするが、子どもや青年の方も、なかなか大変な思いをしているのだ。

 

 そんなT君がニコニコしながら、

『もう少し、ここに居たいなって思って』と言ってくれた。

 やっと少し安心して心が開けるようになったT君は、凄く素敵なもうすぐ19歳。

 この子に会えて、本当に良かった。


スマイルリングでの日常を毎日更新しています😁
NPO法人スマイルリング
理事 ののむら ちあき

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