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魔女の森のおひめさま11 #物語

おひめさまは、本当に息もつけないくらい酷い日は決まって夢想する、夢がありました。

それは、図書館か、教科書のでみたあの青いモスクの中で息も絶え絶えに横たわる自分と、その私の頬に名も知らぬ無数の黒い肌の、美しい瞳の異国の方が、小さな白い花を手に、涙と愛の言葉を述べるそんな夢でした。

日差しは眩く、天国なのか葬儀なのか、はたまた何かの宗教的な儀式なのかは分かりませんが、体はあたたかく、軽く柔らかい永遠の悦楽を感じながらも同時に、みにく人間らしい感情が消えた静かな世界。

音は聞こえずただ美しい静寂と荘厳な光だけがまざまざとした現実感を持って迫ってきます。

その場所は悲しみも苦しみも感じない、嘘のように幸福な世界でした。

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