ちいさいひと

1,

僕のは違った。僕の頑張ってるは頑張ってるじゃなかった。
僕のは、生きてるだけだった。それだけだった。僕が頑張ってると思ってたことはみんなが言う「息をする」だとか「水を飲む」「排泄する」とかそんな割と当たり前なことで、僕はただ、1日それをしたくらいで、頑張った気になっていた。
1日勉強できたくらいで、1日起きていられたくらいで、1日、生きられたくらいで、僕は何を成した気になっていたんだろう。
そんなものなんてこと無いにすぎないというのに。
僕は、僕の「頑張った」が無くなったことで、あれだけ大きいと思っていた自分の中の小さな自分が更に縮まっていく感覚がした。

小さな僕が言う。

「いままでがんばったつもりになってたね」

「それくらいみんなやってるのにさ!」

「かんちがいしてかわいそうだね、ぼく」

「これからはちゃんとがんばってるをさがして」

「もう、ねむっちゃだめだよ」

「□□□□□におこられちゃう」

「いっぱいがんばろうね!!ぼく!!!」

じゃあね、ちいさいぼく

また明日


2,

在り来りな文章。
何処かで見たことがあるような絵。
目に見える展開。
分かりやすい性格。
特徴の感じ得ないもの。
何考えているのか分からない雰囲気。
似た傾向。
「identity」
いいじゃないか。世の中にありふれていたって、それの何が悪いと言うんだよ。

僕と似た価値観、趣味を持っていて、僕より色んな面で優れてる人がいる世の中で、僕が僕である意味ってなぁに?

ないよ、!!ぼくがいってるんだからあんしんしなよ!!!

いなくていいひとってほんとにいるんだよ、しってた?
しらないなら教えてあげるね、ぼくについて。

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