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■短歌ノート ■チェルノブイリツアー

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  • 歌人 奥村晃作の作品を読む

    歌人 奥村晃作さんの作品を第一歌集から読んでいきます。

  • チェルノブイリ・ダークツーリズム

    チェルノブイリツアー2018 produced by ゲンロン

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第十歌集『スキーは板に乗ってるだけで』奥村晃作鑑賞

「現代ただごと歌」の提唱者である歌人 奥村晃作の歌集を一から最新作まで順に読んでいきます。(奥村晃作氏の紹介はこちらをご参照) 前回は第9歌集『キケンの水位』まで読んでまいりました。 今回は第10歌集『スキーは板に乗ってるだけで』です。 これまでの記事はマガジン「歌人 奥村晃作の作品を読む」をご参照。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++ 奥村晃作 第十歌集『スキーは板に乗ってるだけで』 今回も歌集全体から7首引いた。特に私からみて奥村短歌

    • 第九歌集『キケンの水位』奥村晃作鑑賞

      「現代ただごと歌」の提唱者である歌人 奥村晃作の歌集を一から最新作まで順に読んでいきます。(奥村晃作氏の紹介はこちらをご参照) 第一歌集『三齢幼虫』、第二歌集、『鬱と空』、第三歌集の『鴇色の足』、第四歌集『父さんのうた』、第五歌集『蟻ん子とガリバー』、第六歌集『都市空間』、第七歌集『男の眼』、第八歌集『ピシリと決まる』まで紹介しました。今回は第九歌集『キケンの水位』です。 これまでの記事はマガジン「歌人 奥村晃作の作品を読む」をご参照。 ++++++++++++++++++

      • 第八歌集『ピシリと決まる』奥村晃作鑑賞

         「現代ただごと歌」の提唱者である歌人 奥村晃作の全歌集を読んでいきます。(奥村晃作氏の紹介はこちらをご参照) 第一歌集『三齢幼虫』、第二歌集、『鬱と空』、第三歌集の『鴇色の足』、第四歌集『父さんのうた』、第五歌集『蟻ん子とガリバー』、第六歌集『都市空間』、第七歌集『男の眼』までを読んできました。  今回は、第八歌集『ピシリと決まる』です。 これまでの記事はマガジン「歌人 奥村晃作の作品を読む」をご参照ください。 ++++++++++++++++++++++++++++++

        • 第七歌集『男の眼』奥村晃作鑑賞

          現代ただごと歌の提唱者として著名な歌人、奥村晃作の全歌集を読み込んでいます。(奥村晃作氏の紹介はこちらをご参照) 第一歌集『三齢幼虫』、第二歌集、『鬱と空』、第三歌集の『鴇色の足』、第四歌集『父さんのうた』、第五歌集『蟻ん子とガリバー』、第六歌集『都市空間』まで読んできました。 今回は第七歌集『男の眼』から私の好きな何首かをご紹介します。 これまでの記事はマガジン「歌人 奥村晃作の作品を読む」をご参照ください。 +++++++++++++++++++++++++++++++

        第十歌集『スキーは板に乗ってるだけで』奥村晃作鑑賞

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        • 歌人 奥村晃作の作品を読む
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        記事

          第六歌集『都市空間』奥村晃作鑑賞

          現代ただごと歌の提唱者として著名な歌人、奥村晃作の全歌集読み込み企画。第一歌集から鑑賞しています。(奥村晃作氏の紹介はこちらをご参照) 第一歌集『三齢幼虫』、第二歌集、『鬱と空』、第三歌集の『鴇色の足』、第四歌集『父さんのうた』、第五歌集『蟻ん子とガリバー』まで読んでまいりました。今回は第六歌集『都市空間』から私の好きな何首かをご紹介します。 これまでの記事はマガジン「歌人 奥村晃作の作品を読む」をご参照ください。 第六歌集『都市空間』 ながらみ書房 (1995)第一部 感

          第六歌集『都市空間』奥村晃作鑑賞

          第五歌集『蟻ん子とガリバー』奥村晃作鑑賞後編

          現代ただごと歌の提唱者として著名な歌人、奥村晃作の歌集を第一歌集から鑑賞しています。(奥村晃作氏の紹介はこちらをご参照) 第一歌集『三齢幼虫』、第二歌集、『鬱と空』、第三歌集の『鴇色の足』、第四歌集『父さんのうた』、第五歌集『蟻ん子とガリバー』の前半まで読んでまいりました。今回は後編に入ってまいります! これまでの記事はマガジン「歌人 奥村晃作の作品を読む」をご参照ください。 第五歌集『蟻ん子とガリバー』ながらみ書房(1993)平成四年(一九九二) ねぎごと 願ひごと多く

          第五歌集『蟻ん子とガリバー』奥村晃作鑑賞後編

          第五歌集『蟻ん子とガリバー』奥村晃作鑑賞前編

          現代ただごと歌の提唱者として著名な歌人、奥村晃作の歌集を第一歌集から鑑賞しています。 第一歌集『三齢幼虫』、第二歌集、『鬱と空』、 第三歌集の『鴇色の足』、第四歌集『父さんのうた』を読んできました。 今回は第五歌集『蟻ん子とガリバー』の前半を読んでまいります。(奥村晃作氏の紹介はこちらをご参照) これまでの記事はマガジン「歌人 奥村晃作の作品を読む」をご参照ください。 第五歌集『蟻ん子とガリバー』ながらみ書房(1993)平成二年(1990) 電灯を点して覗く戸袋の一番奥に

          第五歌集『蟻ん子とガリバー』奥村晃作鑑賞前編

          第四歌集『父さんのうた』 奥村晃作鑑賞【後半】

          現代ただごと歌の提唱者として著名な歌人、奥村晃作の歌集を第一歌集から鑑賞。第一歌集『三齢幼虫』、第二歌集、『鬱と空』、第三歌集の『鴇色の足』を読んでまいりました。 前回に引き続き、第四歌集『父さんのうた』後半から好きな歌を引いていきます。(奥村晃作氏の紹介はこちらをご参照) これまでの記事はマガジン「歌人 奥村晃作の作品を読む」をご参照ください。 第四歌集『父さんのうた』ながらみ書房 平成3年昭和六十三年(1988年) 全身を震はせておびえ鳴く犬を彼の望みの玄関に入れぬ

          第四歌集『父さんのうた』 奥村晃作鑑賞【後半】

          第四歌集『父さんのうた』 奥村晃作鑑賞【前半】

          現代ただごと歌の提唱者として著名な歌人、奥村晃作の歌集を第一歌集から鑑賞。第一歌集『三齢幼虫』、第二歌集、『鬱と空』、第三歌集の『鴇色の足』を読んでまいりました。 今回は第四歌集『父さんのうた』前半から引いていきます。 (奥村晃作氏の紹介はこちらをご参照) これまでの記事はマガジン「歌人 奥村晃作の作品を読む」をご参照ください。 第四歌集『父さんのうた』ながらみ書房 平成3年昭和六十一年(1986年) 投げられし石かそのまま閉されて厚き氷に締められてをり 信号が赤なれば

          第四歌集『父さんのうた』 奥村晃作鑑賞【前半】

          第三歌集『鴇色の足』 奥村晃作鑑賞【後半】

          現代ただごと歌の提唱者として著名な歌人、奥村晃作の歌集を第一歌集から鑑賞。第一歌集『三齢幼虫』、第二歌集、『鬱と空』に続き、今回は第三歌集の『鴇色の足』の後半となります。 本文末尾に奥村先生の「あとがきーわたしの歌の立場ー」も一部抜粋して紹介します。 これまでの記事はマガジン「歌人 奥村晃作の作品を読む」をご参照ください。 第三歌集『鴇色の足』 本阿弥書店 昭和62年昭和五十九年(1984年) 雪山のてっぺん 膝付けて滑ろと言はれ右足に体重乗せしとき転倒す 東京の雪

          第三歌集『鴇色の足』 奥村晃作鑑賞【後半】

          第三歌集『鴇色の足』 奥村晃作鑑賞【前半】

          現代ただごと歌の提唱者として著名な歌人、奥村晃作の歌集を第一歌集から鑑賞。第一歌集『三齢幼虫』、第二歌集、『鬱と空』に続き、今回は第三歌集の『鴇色の足』から引いていきます。 (奥村晃作氏の紹介はこちらをご参照) 第三歌集『鴇色の足』 本阿弥書店 昭和62年昭和五十七年(1982年) 達磨売の親子 何となく皆が行くから元日の神社に詣づ家族四人で 江ノ島 水中のプランクトンの衰へて底まで碧く澄む冬の海 海水は液体なれば岩の間の隈々を充たす寄せ来し波の 大島の椿油 髪の毛

          第三歌集『鴇色の足』 奥村晃作鑑賞【前半】

          第二歌集『鬱と空』 奥村晃作鑑賞【後半】

          それでは今回は第二歌集『鬱と空』の後半になります。 昭和五十五年(1980年) 鮟鱇 螢光の青光に背をば照らされて水槽一杯に浮かぶ鮟鱇 ボールペン はつきりとこつちがいいと言ひくれし女店員が決めしボールペン持つ 金魚 学校の玄関傍の用水に氷が敷きて金魚ひそめり 受験 熱退かぬ子の負け心見定めてけとばす如く学校に遣る ラッパ水仙 木蓮の丈低き木の幼木がふつうの大きさの花咲かせをり 朝の教員室 いつもいつも世界史の鹿野先生は一時間かけて朝日新聞読む 今岡正道先生

          第二歌集『鬱と空』 奥村晃作鑑賞【後半】

          第二歌集『鬱と空』 奥村晃作鑑賞【前半】

          現代ただごと歌の提唱者として著名な歌人、奥村晃作の歌集を第一歌集から鑑賞。前回は第一歌集『三齢幼虫』、今回は第二歌集、『鬱と空』です。 奥村晃作  1936年生まれ。長野県飯田市出身。宮柊二に師事。元「コスモス」編集委員・選者。江戸時代の近世和歌の研究を通じて「ただごと歌」を世に認知させた。「現代ただごと歌」を提唱し、実践。現在、第18歌集『象の眼』を準備中。毎日Twitterで新作の歌を発表されている。 日本文学全集『近現代詩歌』(2016)に掲載の、穂村弘による紹介

          第二歌集『鬱と空』 奥村晃作鑑賞【前半】

          第一歌集『三齢幼虫』 奥村晃作鑑賞【後半】

          前半に続きまして、『三齢幼虫』後半に入ります。 *** 現実は鋭くて(1973-1974 37歳-38歳) 緊張の日々耐へて来て地の裂け目おちたるやうに一夜荒れたり 甲虫三齢幼虫とわれに説き気味わるき白きもの持ち歩く 振り向くににつと笑つて来よといふ唇あかき女の顔 とげのある針金をもて百姓が遊びの土地をつひに囲へり こらへたる一日のゆふべ和み来る心の変化しづけく目守る 魂を注ぎ込み浩子育てにし妻の歳月われのみが知る いちいちに腹立たしくて隣り家が道路に流す汚

          第一歌集『三齢幼虫』 奥村晃作鑑賞【後半】

          第一歌集『三齢幼虫』 奥村晃作鑑賞【前半】

          短歌教室の先生であり、コスモス短歌会の大先輩でもある歌人・奥村晃作さんの作品を、第一歌集より順番に鑑賞していきたいと思います。 【簡単に自己紹介】 都内に住む30代の会社員(食品関係)。2020年冬より奥村先生の短歌教室に通い始め、2021年夏よりコスモス短歌会に所属。 先生の作品に出会ってまず好きになった歌は、例えば…… 次々に走り過ぎ行く自動車の運転する人みな前を向く 運転手一人の判断でバスはいま追越車線に入りて行くなり 犬はいつもはつらつとしてよろこびにからだふるは

          第一歌集『三齢幼虫』 奥村晃作鑑賞【前半】

          HBOドラマ『チェルノブイリ』を見て考えたこと

          昨晩、2019年に公開されたHBOドラマの『チェルノブイリ』日本語字幕版をamazon prime videoで全5話いっき見した。 凄まじい臨場感で、吐き気や震えを抑えながらなんとか見終わった。 3話目くらいで今日はここまでにしようかなとも思ったが、たぶんもうこの世界に再ログインできないだろうと思ってなんとか見きった。見終わった直後の感想は 「もうやだ。疲れた。辛い。しかもこの問題は現実だし今も解決してないじゃん・・・。」 深夜2時に見終わって、言葉を失い、ちょっとの

          HBOドラマ『チェルノブイリ』を見て考えたこと