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銀貨

貨幣の価値を知ったのは
何かを買うために
硬貨を使った時ではない
ひとに施した時でもない

ただ人気の無い
森の湧水
神聖な場所に
葬られるように投げられた
コインが
青い水の中で
何層にも流れにうたれ、時折浮かび
その輝きを溢している

銀貨の沈黙のひかりの中に
美を見いだした

誰が
いつこの硬貨を回収するのだろう

水の流れという一番適した
棲みかにいるのを止めたとき
銀貨の価値はなくなるのではないのだろうか