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【海外ニュース】隠されたデータを解き放ち、業績を向上させる①

オートメーションシステムによって生成されたデータは、新たな洞察をもたらす可能性があります。

本日、紹介する記事では、エマソンの従業員であるシルビア・ゴンザレスが、自動化システムがデータのサイロ化を引き起こす主な理由を特定し、エッジ・ツー・クラウドの産業用に特化したIoT(IIOT)ソリューションでこのサイロ化されてしまった貴重な情報へのアクセスを簡素化する方法を紹介致します。

※本記事はこちらの記事の翻訳記事となります。

■ 隠されたデータを解き放ち、業績を向上させる

自動化されたシステムから生成される膨大な量のデータに効果的にアクセス、管理、分析することで、業績を向上させるために利用できる膨大な量のデータを得ることができます。

ただし、さまざまな技術的な理由やビジネス上の理由から、データにアクセスできないことが多く散見されます。

このような状況の中、新しいアーキテクチャは、柔軟で効率的なエッジ・コンピューティングクラウド・コンピューティング・モデルを組み合わせることで、この状況を変えようとしています。

これらは、データを分析し、新たなデータを取得し、その結果を関係者が利用できるようにするための具体的かつ実用的な方法を提供しています。

この記事では、データサイロのが起こるわけについて考察しつつ、最新のエッジ・トゥ・クラウドIIOTソリューションでデータに簡単にアクセスし、活用する方法とをお伝えします。

■ データサイロの根源にある既存のインフラ

最近まで、生産データの大半は、
API、HMI、スキャダ、および運用技術(運用技術のOT)などの
レガシー(歴史的)システムからもたらされていました。

これらのシステムの主な目的は、
運転効率と可用性を最大化するための制御と可視化機能を提供することにあります。

したがって、当面の生産目的を超えて関連データにアクセスし分析することは、主目的にはならず二次的な関心事として扱われてきました。

IoTインフラは、運用上のニーズに合わせて設計・調整されます。
例えば、性能要件は満たすものの、柔軟性を促進せず、ベンダー間の相互運用性をサポートしない独自の通信プロトコルの選択、システムの信頼性と簡素化を最大化するためのセンサー制御とデータ収集の削減、サイバー脅威を低減するための現場でローカライズされたアーキテクチャの実装、知的財産を保護し、信頼性の高いマシン運用を促進するための独自のロックダウン・プログラム(多くの場合、接続性を犠牲にする)などが挙げられます。

このような意思決定の結果生まれたシステムは、ビジネス目的という点では非常に強力ですが、データの盲点に苦しみ、アクセス可能なすべての潜在的データの分析から利益を得ることはできないと云う欠点があります。

IoT環境内では、データソースはオープンであるように見えますが、データ分析が容易な環境外のアプリケーションにとっては、実際にはアクセスが非常に困難である点が挙げられます。

さらに、環境条件、状態監視情報、エネルギー消費量など、潜在的に有用なデータソースの多くは、生産や機器の制御には必要ないため、自動化システムでは収集されることはありません。

メガデータ分析機能は、より強力になりつつありますが、データサイロへのアクセスが限られているため、その可能性は制限され続けています。

■ データサイロの種類

データサイロは、機械、プラントなど各種システムからもたらされてれいます。このデータは、温度の読み取り値のように具体的なものから、オペレータがアラームを受けた回数を示す履歴データログのように広範なものまであります。

サイロ化されたデータの最も一般的なタイプは以下の通りです:

①:Isolated data - 孤立したデータ -

これは最も単純なケースですが、必ずしも解決しやすいとは限りません。
4-20mA接続、あるいはModbusプロトコルのスタンドアロン温度トランスミッタを例にしてみましょう。

そのデータストリームにアクセスするためには、エッジデバイス(PLC、エッジコントローラ、ゲートウェイなど)に接続する必要があります。多くの場合、このデータはマシンを制御するために必須ではないため、従来の既存のPLC/SCADAデータソースでは利用できません。また、最も近いマシンAPI経由でデータを取得すると、プログラミングロジックの不可避な変更により、OEF保証が無効になる可能性があります。

②:Ignored data - 無視されたデータ-

IoTシステムに接続され、使用されないデータを生成するリソース。
多くのスマート・エッジ・デバイスは、基本的で詳細なデータを提供します。

スマート・データロガーは、ボルト、アンペア、キロワット、キロワットアワーなどに関連する重要な情報を、有線または産業用通信プロトコルを通じて提供することができます。

しかし、全高調波歪み(THD)のような、より詳細なデータセットは、アプリケーション要件の欠如、低帯域幅通信、または限られたシステムデータ保存能力のために送信できません。

言い換えると、「データはそこにあるが、アクセスされることのないデータ」が「Igonore Date - 無視されたデータ -」になります。

③:Subsampled data -サブサンプル・データ-

不十分なビットレートでサンプリングされたデータを生成するリソースを意味します。

インテリジェント・デバイスが通信バスを介して制御システムにデータを提供する場合でも、サンプリング・レートが低すぎたり、レイテンシが高すぎたり、データセットが大きすぎて得られた結果を利用できないことがあります。

場合によっては、データが公表される前に要約され、忠実性が損なわれることもあります。

④:Inaccessible data - アクセス不能なデータ -

従来の産業用システム(インテリジェント・デバイス)では一般的にアクセスできない、あるいは利用できないフォーマットで提供されるデータ(多くの場合未処理だが、それでも診断目的などには重要)を生成するリソースを意味します。

インテリジェント・デバイスの中には、標準的な通信プロトコルでは通信できないものの、ダウンタイムの原因となるイベントを分析するのに非常に有用な「エラー・ログ」などのオンボード・データを持つものがあります。

⑤:Non-numerical data - 非数値データ -

スタッフが紙やメモ帳、ホワイトボードなどの手作業で作成されデジタル化されていないデータを意味します。

多くの企業では、従業員が試験票や検査票、その他同様の品質文書が紙に記入されており、デジタル化されることのないデータを意味します。

より近代的なアプローチとして、デジタル方式でこれらのデータを収集し、ペーパーレス工場に転換することが挙げられます。

以上が、データサイロの種類になります。
次ページでは、これらのデータサイロをどのように利用可能にするかをご紹介致します。

>>【海外ニュース】隠されたデータを解き放ち、業績を向上させる②

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