見出し画像

SMUAオンライン高校出前授業

こんにちは!SMUAのれん💡です

SMUAは最近いろいろなセクマイ活動に手を伸ばしているんですが、その中でも特に頑張ったのが高校での出前授業!セクマイへの印象を変えるなら絶対教育だよね、とメンバーで話していたんですが、今回縁あって某高校で3時間分授業をしてきました。

SMUAらしい授業をしてきましたよ。そしてちゃんと教育効果に関するアンケートもとってきましたよ。ぜひご覧ください〜

どんな授業をしたのか

意識したこと
・読めばわかるような知識の説明は最小限にする
・できるだけ双方向のコミュニケーションを取れるようにする
・「〜は気をつけた方がいい」という言い方は極力避け、ポジティブに話す。まずセクマイに興味を持ってもらい、自分で調べたくなるようにする

0. 事前にセクシャリティ診断をやってもらう
セクシャリティをある程度自分事化させた上で授業を受けてもらいたいなと思ったので、job rainbowさんのセクシャリティ診断をやってもらいました
https://jobrainbow.jp/discover_sexualities/

1. SMUAメンバー6人が、それぞれのテーマに沿った過去の体験を話す
それぞれ10分ぐらい話しました。
・みお🎨:固定観念があることに気づこう
・けいすけ🦊:自分らしさ貫いてこ!
・たくみ🍇:誰もが“自分事”として考えてもらう(SOGIの当事者)
・たき🏹:バイセクシャルならではの悩み
・えーね🍔:パンセクシャルというセクシャリティ
・れん💡:セクシャリティをタブーの話題にしない

2. 高校生は話を聞きながらsli.doで匿名で質問をする
今回の授業では高校生一人一人がタブレットを持っていたので、匿名質問システムsli.doに気になったことを投稿してもらいました。こんな感じ↓

スクリーンショット 2022-03-26 10.46.58

3. SMUAメンバーが質問に1つ1つ答えていく
時間が許す限りsli.doに書いてある質問にかたっぱしから答えていきました。

アンケート結果

授業前と授業後でアンケートをとりました。結論から言うと、
・セクマイに対する事前のイメージは「かわいそう・悩んでいる」が一番多かった。授業前後でセクマイに対するイメージが大きく変わったのもこの人たち。
・授業は、知識が増える、セクマイへの関心が高まる、行動が変わる、といった効果がそれなりにあるのでは。
・授業は「知らなきゃいけないから」ではなくて「知りたいから」セクマイを知ろうとするマインドセットを与えたのでは。
・感動的なコメント多数

1. セクシャルマイノリティにどんなイメージを持っていますか?(授業前)

画像2

(記述内容をオープンコーディングで分類)

一番多かったのは「かわいそう・悩んでいる」というイメージでした。いわゆる障害者に対するイメージと被りそうですね

2. 授業を通じて新しく得た知識がありますか?それは何ですか?

画像3

(1=全くない、6=たくさんある)

画像4

(記述内容をオープンコーディングで分類)

かなり多くの知識を学んでくれたようですね!SMUAメンバー6人がそれぞれ違うテーマを話したので、セクシャリティの多様性に関する知識が多かったようです。

3. 授業を通じてセクマイをもっと知りたいと思うようになりましたか?それはなぜですか?

画像5

(1=全くそう思わない、6=とてもそう思う)

画像6

(記述内容をオープンコーディングで分類)

内発的動機(興味・まだ知らないことがあるため・理解したいから・自分を知ることに繋がるため)が半分以上だったことが印象的です!普通、セクマイについて知りたい理由は「知らなきゃいけないから」という外発的動機が多いように思うので、今回の授業で意識した、「まず興味を持ってもらう事」というのはうまくいったようです。

4. 今後やりたいこと・気をつけたいことはありますか?それは何ですか?

画像7

(1=全くない、6=たくさんある)

画像8

(記述内容をオープンコーディングで分類)

カミングアウトへの対応や、当事者への言動を注意するが多数でした。「自分らしく生きる」というのがあったのも印象的ですね

5. セクマイのイメージは変わりましたか?

画像9

(1=全く変わらない、6=とても変わった)
(事前のイメージごとに色分け)

特に「かわいそう・悩んでいる」というイメージを持っていた人はイメージが大きく変わったのかなと思います!

6. 自由記述
本当にたくさんの言葉を書いてくださって感激至極です。こういうのを見ていると「やってよかったな」と思えますね〜
・自分が人と違うかも、と不安に思うことが多々ありましたが、質問でも講演の方たちの話を聞いて私だけではなく、クラスにもそのような人達がいると知って安心した。だからこそ、調べることがさほど怖くなくなったし、もっといろいろなセクシュアルマイノリティのことを知って経験とともに多様性を認め合える社会になるよう務めたい。沢山の種類があって私自身もまだ分からない部分があるのでもっと当事者の方たちとお話をして理解を深めたい。
・自分を見つめ直して、焦らず自分の性とか心について知っていきたい。今日の人達のように私も自分らしく生きていきたいし、もっとセクシュアルマイノリティについて知っていきたい。今日のスタンダードの方のように大学になったらそのようなサークルにも興味をもちたい。自分のことがまだはっきりしないので、当事者になるか反対に相手からカミングアウトされる側になるのか分からないが、自分のことも相手のこともしっかりと受け止められるようになりたい。死ぬのは1人なんだから自分らしく思いっきり行きたいと思います!!!!
・今まではなかなか話題にならなかったのですが、この講演を通して、友達とも休み時間とかにオープンに話すことが出来た。それに、LGBTQが凄く遠い事のように感じていたが、当事者さんたちの話を聞いて、ありのままに生きることって本当に素敵だと思ったし、セクシュアルマイノリティの事に関わらず、今日は人生の勉強をしたと思った。自分にも関係あるかも、と思ったし、そうあることを知ることで嫌という感じはなく、これからもっと自分を知っていきたいと思った。もっと当事者の方たちとお話をしたい、と思った。
・自分とは違う考え方で特別な人達だと思っていたけど全然そんなことはなくてそういう考え方も普通にあって特別でも何でもないでもこういう人達という枠に囲われていてそれをもっと周りの人や世間が枠にあてはめない自分達と同じように考えられる社会になって欲しいと思いました
・今回は為になる話や質問に沢山答えてくださってありがとうございました。セクシュアルマイノリティについては何となく知ってはいても具体的にはよく知らなかったり、フィクションなどに影響されて勝手に決めつけてしまっていたところもあったので、今回実体験やそれぞれの考え方を聞いて、すごく説得力があり自分らしく生きていくことはセクシュアルマイノリティ関係なく大事だなと思いました。自分もなるかもしれない、自分も打ち明けられることがあるかもしれないという意識を持って今後人付き合いをしていきたいです。今回は本当にありがとうございました。

授業を通じて気づいたこと

・ポジティブなトーンの話をするとセクマイに興味がわく
セクマイの話題ってどうしても「〜してはいけない」「〜は気をつけたほうがいい」「〜したら苦しむ人がいる」という文脈で出てくることが多いと思います。もちろんこれは大事なんですが、そのせいでセクマイの話が触れてはいけない話になると、いつまでもセクマイとの距離は縮まらないなと。もっとセクマイに対して知りたいと思ってもらえるようにするには、まずはポジティブなトーンで語っていくことが必要なのではないかと思います。今回の授業はある程度それを実証できたのではないかなと思います!

・sli.doの質問を見て、自分たちの中にもセクマイがいることを知る
今回予想外だったのは、sli.doで高校生が自身のセクシャリティの悩みをたくさん書いてくれたことです。これによって、彼らの中にもセクシャリティで悩んでいる人がいること、マイノリティがいることが可視化されました。身の回りの当事者を可視化する事は、セクマイの話題を自分事化するのに非常によく効きます。これが図らずともsli.doを通じて起こったのは興味深かったです。一方で、可視化はアウティングにつながる非常にセンシティブな事でもありますが、今回はその後も「セクマイ当事者探し」のようなことは起こらなかったと聞いています。いい形で終えることができました。これは次に活かしていきたいです。

・当事者紹介プラットフォームの可能性
学校での授業というものは、半強制的に受けるので、セクマイに興味がある人もない人にもセクマイに関する知識を伝えることができます。しかし、多忙を極める学校の先生がセクマイの話題を一から勉強して教えることは現実的には不可能です。そこで、今回の授業のように当事者を呼んできて話させる形式の授業は、先生の負担の面でも、教育効果の面でも、非常に有効だと思います。例えば、セクマイ当事者を学校の先生に紹介するプラットフォームがあれば、学校でのセクシャリティ教育の機会が増え、質が高まり、長期的にどんなセクシャリティの人でも生きやすい社会へつながるのでは?そんなことをこの授業を通じて思いました。

以上、オンライン出前授業のイベントログでした!こういう授業はやっていて楽しいし、アンケートで受講者の感想を見ると毎回感動するんです。ぜひこんな機会をこれからも増やしていきたいです!

れん💡

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?