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彼が生み出し、わたしが育てる

ひとつ前の投稿で児童福祉に関わるようになった理由を記しました。
次はカンボジア初渡航の話を書こうかなと思ったのですが、思い直して前述の理由の補足を綴ってみることにしました。

ここから書くことに別れた夫の批判をする意図がないことをご理解の上、少し長くなりますが、お付き合いいただけると幸いです。



君にはわからないよ

スナーダイ・クマエの創立者は10年前に別れた夫です。
わたしが施設で暮らすようになりしばらくしてから、子どもが問題を起こした時はまず理由を聞いてどんな助言をするか判断したいと彼に言ったことがあります。なぜそうしないといけないのかを伝えることが大切だと思っていたからです。
でも彼にはそんな回りくどいことはせずに、叱って言うことをきかせればいいと一蹴されました。

「僕は食うか食われるかの世界で生き残ってきたんだ。子どもを甘やかしてもろくなことはない。君にはわからないよ。」
今から40年以上前、彼が10代の頃カンボジアはポルポト政権下で人々は強制労働の日々、少しでも反逆心があると思われるだけで命の危険にさらされる気の抜けない生活に耐えていた、と彼は言いました。
そして君にはわからないと断言するのです。

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