見出し画像

新卒で入る会社はバリュー軸で決めては?

就職活動の軸は何ですか?

就職活動の軸に関して、就職活動をしていると、志望動機に関連しての場合も含め、問われる機会や自身で考える機会も多いだろう。

私自身、面接官として面接に関わる体験を通して様々な軸を聞いてきた。

例えば次のようなものだ。

「○○をする事です。」、「○○を通じて役に立つ事です」 = 「ミッション」ベース

「成長できる環境である事です」 = 「自身の成長」ベース

「○○な世界を創りたいです。」 = 「ビジョン」ベース

「○○な雰囲気に惹かれました。」 = 「空気感」ベース

「○○を生かせる事です。」 = 「自分の武器」ベース

「○○においてナンバーワンである事です。」「企業体力があるからです」「○○に強いからです」 = 「会社の状態」ベース

「○○さんのような人達と一緒に働きたいです。」 = 「人物」ベース

「たくさん稼げる事です」 = 「金銭報酬」ベース

「○○の制度が充実している事です。」 = 「福利厚生」ベース

(面接において正直に口に出すべきかはともかくとして) どの軸も重要だと思うし、何を軸にしたから間違いという事は無いと思う。

とはいえ、面接担当としては、大きな軸が福利厚生だと寂しい気持ちになるのも事実だ。
条件の中に当然入ってくるものだと思うが、最初に出てくるのは抵抗感がある。
恋愛で例えると「私の為に何でもしてくれるから好き」と言われているような気分になる。 できなくなったらどうなるの?? 自分の価値って的な…

また、1つの軸で選択するのではなく複合的に考えるのが一般的であると思う。僕の想像になるが、期待する1つの軸は完璧だが、他の事が整っていない場合において、その企業を選択する可能性はかなり低くなると思う。

面接において問われる軸と、就社する会社を決める軸は違うのでは?

面接については、最も譲れない軸、あるいは上位の3つくらいの軸で対話しお互いにミスマッチがなければ、それで良いのだと思う。

一方で就社する会社を決める場合は、これとは違うのでは? と考える。

それは特に新卒の場合に顕著なのだが、総合職である以上、自分が武器と認識していることを発揮できる配置につけるかについて約束されるものではないだろう。
同様に人物をベースとした場合も一緒に仕事ができるとは限らない。

また福利厚生や金銭報酬も一般的には長続きするモチベーションにはならないと言われているものなので、満たして欲しい水準としては大事だが、これが突き抜けているからという理由で選択するのもイマイチだろう。

改めて書くが、ここまで否定したものが就社する上で必要ないと言っているわけではない。期待を満たしている事に越した事はないのだ。

それでは何を決め手にすべきかというと、それは企業理念(ミッション、ビジョン、バリュー)であり、中でも「バリュー」で決定するのが良いのではないかと思う。

ミッション 実行すること

ビジョン 目指す姿

バリュー 大事にする価値観、行動指針

概念の順位がミッション、ビジョン、バリューなのかビジョン、ミッション、バリューなのかは悩ましい所だが(今の所、私はビジョン、ミッション、バリューの順と考えている)この話はまた別の機会に書こうと思う。

この企業理念が、個人でも活躍できる可能性が高まった今の時代において、企業と社員を結びつける要素として最も大事なものであると感じている。

その点でミッション、ビジョンに共感し、これを元に最終判断ができれば良いが、判断しかねる場合もあるだろう。

特に成熟業界である大企業の場合、ミッション、ビジョンから違いを見つけるのが難しい事も多いだろう。

そのような場合に最終判断する際、バリュー軸で企業を見るという選択を提案したい。
実は、このバリュー軸に「空気感」のようなふわふわしたものや、「自身の成長」ができるかどうかが隠されている。

実行すること、それによって叶えたい未来を、「どういう心構え、スタンスで向き合うか」がバリューには、込められているからだ。

バリュー 大事にする価値観、行動指針**

バリューは、まさに大事にする価値観について明文化するものだ。

例えば品質とスピード感 どちらも大事なものに違いないが、あえて順位付けするならばどちらなのか?

家族的な関わりを求めるのか? あくまでプライベートとは切り離すのか?

迷った時の判断軸がそこにはある。その判断軸が自身にとって良いものなのか。目的に合うものなのか確かめて欲しいと思う。


今回、このテーマを取り上げたのは、企業理念の中でもミッション、ビジョンの共感から選択することが多くバリューはあまり見られていない、読まれていない印象があった為だ。

しかし、自身の経験からすれば、その企業のらしさはバリューにあると感じた事が多かった。勿論、やりたい仕事が明確にあるからミッションベース!というのも否定はしないし、それで決めても良いだろうし、決めざるえない場合もある。

実際、先日参加したセミナーで自社の企業理念の好きなフレーズを語り合う場面があったがバリューをあげていた参加者が多かったように思う。

社会人経験のある人は「最初は興味なかった、違う事をやりたかったんだけど、体験してみたら◯◯の喜びに気づいて・・・」というケースを耳にしたり身に覚えがあったりするだろう。

少なくとも企業理念のバリューを一度、目を通して欲しいと思う。


最後に1つ注意点がある。
それは掲げているバリューが「本当にその企業の行動へ反映されているか」だ。
綺麗な言葉が並べているだけで、実態が伴っていなければ、それは行動指針になっていない。

せっかくバリューを軸に選んでもそれでは全く意味がない。
既存社員との関わりの中でバリューが行動から見えるか見極めて欲しい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?