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【神奈川県鎌倉市】夏の終わりに最後のキスを 腰越漁港を歩く 23.09.30_13:30

 腰越漁港は、日本有数のサマーリゾート地、湘南江の島に隣接するひなびた港。

 二回の東京オリンピックのヨット競技場と漁港が並んでいる奇跡。

 鯵としらすが名物です。

 物流が発達したから湘南しらすはそこそこブランドだけれど、昔はホントに海辺でしか食べられなかった。

 茅ヶ崎育ちの自分にとって当たり前のようにそこにあったものだから、そのありがたさに気がついていなかったっていうのは贅沢な話だ。

 
 ガキの頃海の近くで育ったから、同級生には漁師の子供とか釣り船屋の子供とかが結構いた。

 土地柄からか農家の子供というのは少なく、地元で商売をしている人やサラリーマンが主だったけれど。

 商売人やサラリーマンの子供と違い海で生計を立てている家庭の子供って、大らかで学校や先生にへつらうこともなく自由に生きている感じがとても魅力的に思えた。

 親や権力者(ガキにとってはセンコーとかだけど)の顔色ばかりを気にするサラリーマンの子供とは明らかに毛色が違った。

 その日暮らしとまでは言わないけれど、言ってみればハンターなわけだし賭け事しなわけだ。

 誰かのご機嫌をとっても成果が上がるわけではないとわかっていたのだろう。

 だから、勉強はできなかったけど魅力的な奴らだった。

 そういう連中とは不思議と気があったし今も付き合いがある。

 こちらはサラリーマンの倅だというのに。

 サラリーマン家庭の連中とは、義務教育を終われば散り散りだ。

 地元で商店などをしていた家庭は、ほとんど姿を消した。

 大規模量販店の進出などで、昔ながらの個人商店は生きづらい地域なのだろう。

 だから、昔から漁師っていうのには憧れが有る。

 既得権益に守っれ、他者の参入から守られていることは大人になって知った。

 海の生き物は平等な資源だと思うのだが・・・

 今でも、晴れの一日、海の上で揺られて生きるって羨ましい限り。 

 社会との接点は少ないだろうし、魚の需要も先細りだろうけど。

 でも、漁船の航行って、日本の安全保障にかんして馬鹿に出来ない存在らしい。

 不審船を最初に発見するのは、多分彼らだろうから。

 
 そんな現実よりも、憧れでいいじゃん。

 今度もずっと。
 

 そんなことを思って歩いた腰越散歩。

 今年もジェーンは来なかった。

 Kissの相手の夏の女神には会ったこともない。





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