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The・ドライブイン 国界のとんかつ 19.06.29 14:59

田中角栄のおかげで日本中に高速道路網が張り巡らされて、快適なカーライフが送れるというのに、昨今の若者の車離れと行ったら嘆かわしい限り。

おじさんが若い頃は車を買うために働いていた。
もっとも、当時バブルの真っ只中で、一般人が東京の土地を買って家を建てるなんて織田裕二が犬になるくらい奇跡に近く、仕方なく車を買っていたという落ちだった気もするけれども。
高速道路にはサービスエリアが等間隔につくられ、それが高速道路を利用する目的になるほど今は盛り上がりを見せている。

当時田舎にはろくにコンビニもなく、高速道路は網というにはまだ遠く、高速を降りると一般国道を延々走って時々見つけるドライブインの明かりには助けられもしたものですが、高速道路網が整備され、いまどき下道の国道を走って・・・なんてよっぽどの貧乏トラック運転手くらいしか行う人もいなくなって・・・。社会の変化についていけずに夢のかけら。田舎の幹線道路やバイパスで朽ちたドライブインの跡を見かけると、兵どもが夢の跡、当時を振り返って悲しくなったりするのです。

国道20号線を走ってきて、山梨と長野の県境。甲斐と信濃の国境といったほうがノーベル文学賞作品風でぴったりかな?に国界というドライブインがあります。これはもう、オイラがガキの頃から有るという代物で今もしっかり営業している。
国道20号線なんて、ほぼ中央フリーウェイと並行していて、普通なら高速を降りた目的地までほんのちょっとだけ利用する通過点でしかなく、こんなところでドライブインがまだ生きている事自体奇跡の賜物なのだけれども、今もしっかり営業しているところを見ると、頑張って欲しいなぁと願うばかり。

道の駅だって目と鼻の先にあり、点々とコンビニだってあるっていうのに、どうしてやって行けているのだろう?そう思うと寄らずにいられないのは人の性。
寄ってみました。頼んでみました。とんかつ定食を!
取調室じゃカツ丼が、ドライブインではとんかつがと私の脳の何処かに刷り込まれておりまして、何故かこの場合ラーメンはドライブインではなくラーメン屋でみたいな変換も行われています。

とんかつは極めて普通の味。この場合、この極めて普通というのが重要で、可もなく不可もなく程度が最大の効用だったりするのです。

なぜこのような場所でこのような店が生き残っていられるのか。
駐車場は広いんだけれども、それが理由なら全国で納得の行かない潰れたドライブインが山ほどあるはず。
R20は幹線道路だけれども、長野と山梨の県境じゃメインはやっぱり高速道路で下道が混雑するようなことはまずない。
なのに・・・なのに・・・なのに。
地元に愛されているのだろうか?自分みたいにノスタルジックに浸りたい客が多いわけでもあるまい。
ここにずっととどまってその理由を探るなんていう事ができるはずもなく。
永遠の謎とロマン。そういうことで良いのかな?

今日は食べられた。次回来るときにはどうなっていることやら。
旅情を彩る田舎のドライブインファンとしては、まだまだ頑張って欲しいけれども。
時代がねぇ・・・もう何が起こるかわからないから。



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