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小室山妙法寺 山寺のあじさいまつり 19.06.30 10:08


甲府に泊まった翌日は、富士川町の妙法寺へ。

甲府から富士川を下った先に小室山妙法寺はあります。
日蓮宗の山寺は、この時期紫陽花に包まれる。
包まれるからからなのか、包まれたからなのか、妙法寺はあじさい祭りが開催され、これも毎年楽しみに見に来るイベントの一つです。

今日は甲府に泊まったけれども東京神奈川方面からの距離感もいい感じで、自宅がある横浜から来るとするのなら、本当は途中の猿橋の紫陽花もついでに見物してというのがいつものルートなのだけれども今年はちょっとそちらには寄れずじまいなのが残念だが。
山梨の紫陽花も、桜同様神奈川の紫陽花が終わったかなと思う頃ピークを迎えるので少しだけ長く自然を愛でられるという特典はやっぱりちょっと特別感です。

中央道から伸びる枝のようなバイパスが最近ちょうど富士川町の増穂まで伸びたのも足の便を良くしている。
足の便は良くなったけれども、田舎の雰囲気が損なわれていないところが流石というかやっぱりというか。
高速を降りて富士川沿いに少し走って、幹線道路に別れを告げて山の中へと分け入る。
川をもう少し下れば日蓮宗の大本山である身延山久遠寺なのだけれども、妙法寺も日蓮宗の本山(由緒寺)。元は真言宗の寺であったが鎌倉時代住職の 善智法印が日蓮と法論 して敗れたため弟子となり日蓮宗に改宗。久遠寺とは切っても来れない関係となります。

これでもかと山の中に分け入ったところに突然集落が現れ、道路をまたいで総門が立つ。
その奥へと進んでいくと巨大な三門が現れ妙法寺と対峙することになる。
今日はあじさい祭りなので、誘導員に従って近くの駐車場へと車を回される。
小雨が降ったりやんだりの天気。紫陽花には丁度いいが誘導係はかっぱを羽織って蒸し暑かろう。みんな檀家なのだろうか徳が上がるといいですね。

駐車場から妙法寺の三門下へ。
小雨は降るが傘をさすほどではない。いずれ上る感じの雨。お天気に関しては割と恵まれる感じの体質。今日もまた。
しかし田舎の山寺とは思えない見上げる三門の立派さ。明治30年の建立というから割と新しい。
明治に入ってからの建築でこの立派さって・・・すごいなぁ。

紫陽花の育成管理費300円を支払い境内へ。
あじさい祭りの期間中山門上に上がれます。
見物、まずは三門から。明治の後期と言ってもそこは三門。しっかりとした作りで驚かされます。
上から見下ろす門前の街。といっても手が届くほどの小さい街です。
門前の街は小さいけれども遥かに富士川の街が山並みに沿うように展開している。それも決して広いわけではないが。
なんにもない。驚くほどになんにもない。そんな街を眺めて改めて宗教のすごさを思い知らされる。


こんな山寺にこんな三門が。どれほどのお布施が必要だったのだろう?金持ちが私財を投げ出したってわけでもなく。きっと見て取れる程度の門前門徒が爪の先ほどの収入から、ほんの僅かにためた施しを集めて集めて・・・。
そして今そこに登らせてもらっている。もったいないもったいない。でもこの牧歌的な風景が見たくてここに来ているようなもの。これも毎年の楽しみの一つ。木造の三門をいつまで公開してくれるだろうという心配とともに。傷んでももう直せないのじゃないか・・・他人事ながら心配は尽きない。

三門を降りて古く苔がついて崩れかけている石段を上がって境内へ。
この石段に咲く紫陽花が見ものです。
鎌倉時代から続く刻の重なりがのしかかってくる。そんな空気感。
朽ちた石段がまたいいんです。紫陽花が生えます。
急な石段を噛み締めながら一歩一歩登る。息は上がるが気持ちが浄化されていく。メタモルフォーゼ。
もう何百年も続いてきて、これからも何百年も続くであろう積み重ねの一部になる。

午前中境内で予定されていた地元のよさこい踊りとか太鼓の演舞とかが雨で中止になった。午後は行うそうで、プログラムを変更するのか予定通りなのかは分からないが一応何かが行われるそう。
なので、演舞を予定していた子どもたちがすることもないので小雨の中境内を走り回っている。鐘楼に登りたかったけれども、子どもたちに占拠されていて断念。これは致し方ないか。

境内脇に地元の婦人会やら商店やら何やらが屋台を出してお祭りを盛り上げている。
この地域ではゆずが自慢らしく、ゆずうどんなるものを販売していてこれも毎年の楽しみの一つ。
おばちゃんたち手作りのうどんが結構行けている。地域の特色を楽しむのも地方の祭りの楽しみ方の一つだしね。

うどんを堪能した後は本堂に入って渡り廊下を伝って客殿や仏殿へと下る。
重厚な堂宇の数々が紫陽花に映える。

本当は本堂裏山も紫陽花がいっぱいでそちらを通って客殿へと下るのが一番いいのだが、流石に今日は足元が悪いので、お殿様よろしく檀家面して建物の中をお邪魔した。

古い堂宇と紫陽花のコラボレーションが妙法寺の醍醐味というか見どころ。
紫陽花は日本の自生種らしいので、そういう意味でも古い建物にぴったりなのかもしれない。
鎌倉観光が紫陽花で栄えているのもうなずけるけど、ここまでピッタリハマってはいないだろう。

紫陽花の数が圧倒的で、もうどこを見ても紫陽花紫陽花。
色がくっきりとしているのも妙法寺の紫陽花の特徴。
見とれて、見とれてと境内を歩いているとあっという間に境内の外。

山梨の山寺に咲く紫陽花は毎年の楽しみの一つ。
あんまり有名ではない山寺だし、あんまり有名ではないイベントだけれども、日本の文化をこれでもかと感じられる。
ここのあじさいを見ると、夏がくるなぁという感じになるのが毎年のことなのだけれども、なんとなく今年の梅雨明けは伸びそうな天候具合。
天候に一喜一憂も、所詮サラリーマンが思う程度の気象の話なのですが・・・。
しっとりと濡れた紫陽花に見とれた妙法寺参りでした。




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