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「マルリナの明日」のはなし

インドネシア生まれのマルリナは、息子と夫が亡くなり憔悴していた。
そこに近所(っつっても車の距離)の顔見知りの悪党が現れ、家畜と家財を奪うという。そして、時間があったらお前を犯す。と。

こんな男尊女卑あるー?

予告を観て衝撃を受けた。
https://www.youtube.com/watch?v=WCuOOS2X2Eo

これは見なければと足を運ぶと、約90分のお話の中、3分の1くらいが長回し。
冒頭からずーーーーーっと悪党がマルリナの家に向かう道程の長回し。

カット尻なんか、もう長すぎて逆に短い。
その長さが、マルリナをリアルに切迫させて見せる。

マルリナに明日はない。
そもそもこの国に、男性なくして女性に日は昇らない。
きっとこんなの、昔の日本もそうだったんだろうな。
その中で、マルリナはきちんと怒りを感じている。
怒りを感じて、復讐して、でも旦那さんを愛していて。

男を、嫌って、憎んで、信じて、裏切られて。

それでも男とセックスしないと子供は産まれなくて。痛みに耐えて産んでも、産まれたそれがまた男だったりして。

私は子供を産んだことはないけど、尊敬する先輩が1人目の男の子を産んだ時、「男で良かった。この子は男に虐げられることは無いんだと安心した」と言ったのを思い出した。

どこかで私たちは、何らかの形で男を愛さねばならない。

人間全体のために。

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