やりたい気持ち、解放する日を。


さっきまで夕焼け空がきれいだったのに、いつのまにか真っ暗になっていた。日が暮れるのがはやくなってきたことを感じながら、厚手になったカーテンをしめる。


くるりと方向転換をして、ガサガサとふくろの中をさがす。棚からお皿をだして、かってきたお惣菜やサラダをならべていく。大きめのお皿にぎゅうぎゅうにのせたら、テレビのまえのソファ席へ。


冷蔵庫からちいさめのすらりとしたビンをとりだす。ほんとはキンキンに冷えていた方がいいのだろうけど、体がびっくりしちゃうからね。


ちいさめのテーブルいっぱいにならんだ、おいしそうなごはん。足りないものはないかなっと見回してから、そっと手を合わせた。



「あれっ?」


調べものをしていたら、なぜか知らないサイトに飛んだようだ。真っ黒な画面にさっと血の気がひく。


もしかして、へんなサイトなのかなっ。


こわごわ戻るボタンを押そうとしたら、キラキラとした星がでてきて、金色の文字でお休みエンドロールの文字がうかびあがった。


なんだろっ、このサイト。

想いに答えるように、画面にはお好きなオーナメントをお選びくださいの文字。変なサイトではないようだ。


平気かなぁなんて思う気持ちは、画面にでてくる可愛らしいオーナメントを前にどんどん小さくなっていった。


かわいいお鍋のようなオーナメントを押す。今まさにこんなお鍋がほしいんだもの。押されたオーナメントから、ぽんとでてきたのは、休日をかえるメッセージだった。



「いただきます。」


作っておいた具だくさんのおみそ汁をひとくちのめば、身体いっぱいにあたたかさが広がる。だしと野菜のやさしい甘みだ。


少しずつ盛られたお惣菜やサラダをらつまみながら、日本酒をのむ。んーっっ、幸せだ。


具だくさんのおみそ汁におかずがいっぱいの夕ごはん。
わたしのやりたかったこと。


ひとりでいるようになってから、どうしても食べきれる量を意識する。いっぱい買ってきて、なんてことはなくなる。無駄にしてしまわないように、なんて思っちゃうんだよね。


寂しいとまでは思わないけれど。たまに、実家や友人と食べていたような、テーブルいっぱいにおいしいものがならぶごはんが恋しくなるんだ。

やってみたいの炎は、くすぶらせないこと。
灰になるまえに、おおきな炎にしてこう。
ずーっとやりたいことを叶える休日にしない?


あのサイトがくれたメッセージが、お腹いっぱいの夜を連れてきてくれた。

いつも読んでくださり、ありがとうございます♡