見出し画像

未来を変えることは、この瞬間を変えていくこと。



きっかけなんて、些細なものだった。


ほんとに小さなことで、人のきもちは簡単にかたむいてしまう。良い方にも、良くない方にも。


ほんとうは、その方向は簡単にかえていける。自分のチカラで、だれでも。



たしかあの日は。
お昼休憩がおわり、午後の仕事をはじめようかとしていたとき。後輩が書類をもってきてくれた。さしだされた書類にそえられた手をすいよせられるようにみた。


彼女の指先が淡いコーラル色でそめられて、とてもステキだったから。思わずステキねって声にだしてから、書類をうけとった。


その声をきいた彼女は、びっくりしてから、へへへっとわらった。
あとで給湯室で彼がほめてくれてうれしかったからネイルケアに力をいれていると教えてくれた。


「最初は、女子力あげたいだけって感じだったんですけど。今は、自分が楽しくってつづけてます。」


ただ、ネイルグッツがどんどんほしくなっちゃうんですよねっとまた笑ってた。



ソファに身体をあずけて、ぼんやりと過ごす休日にそんなことをおもいだした。おそらく、あのときもコーヒーの香りがしていたからだ。


マグカップをテーブルにおいてから、ふと手元に視線をうつす。このまえ、ひっかけてしまって爪がわれてしまった人差し指。ばんそうこうがいらなくなったものの、イビツな形をしていた。


わたしの爪は他の人にくらべて、とてもうすい。そのおかげで、何もしなくてもサクラ色なのだけど。そのせいか、ちょっとしたことでひび割れたりしてしまう。


トップコートっていいらしいよっと聞きなれた声がひびく。


「野球選手もさ、爪がわれないようにトップコートぬるんだって。」


ためしにやってみたらっとばんそうこうをした指先をみて、彼がいったのをおもいだす。
やったらいいってわかってはいるんだけど、なかなか行動できない自分がいた。

お金や時間があるなあとかよりも、行動するのがおっくうだった。


んーー。


こんなときはアレだ。
スマホをとって、ぐるんと体勢をかえる。ブックマークされたサイト、お休みエンドロールにアクセスした。


お休みの日だけにアクセスできるサイト。すこしずつ知っているひとがふえているらしい。

お休みの日の夜、明日へのゆううつさを楽しさにかえてくれるサイトだ。このサイトに出会ってからは、月曜日がゆううつじゃなくなったのだもの。ものすごく信頼してしまっている。


移りゆくキラキラとした金色のオーナメントのなかから選ぶ週末のメッセージ。ポンとあらわれたメッセージはいつだって、わたしのことがお見通しなんだとおもう。


今日のメッセージをみて、その気持ちがさらにつよくなった。



駅で定期をとりだすとき、コピーをとるとき。
飲食店でお会計をするとき。コーヒーをいれるとき。


わずかな光もとらえて、キラキラとする指先に、ふふふっとなってしまう。


あのあと、いつもメイク用品をかうお店にむかった。いつもは愛用品をチェックするだけなのだけと、たしかネイル関係もあったと予想したからだ。


予想した通り、というよりも予想をはるかにこえるほとあった。迷ってしまったくらい。そのなかでも、一目惚れした色にした。貝がらのようなパール感。かさねていくとほんのりといろづくネイルを購入した。


夜、さっそくつけた指先は淡くかがやいていて。水や海、水族館がすきだからか、この貝がらのような指先がとてもきにいった。
明日が待ちきれないくらい楽しみになった。



ほんとに小さなことで、人のきもちは簡単にかたむいてしまう。良い方にも、良くない方にも。


ただ、良い方にかたむくことを知っておくと、ふとしたときに思いだせる。あとは行動するか、否かだ。

知っているってことを、やってみたとき。
いまが変わる。そして、未来も。


あの日のお休みエンドロールのメッセージ。
ほんとだってことがわかって、わたしはまたひとつ。楽しさを知ったんだ。


いつも読んでくださり、ありがとうございます♡